TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.1551 宝塚歌劇宙組公演(2018年12月)
 先日カルチャー教室の休み時間にボーッとしていると女性の店長さんがみえて
「先生、宝塚に行ってきました!凄くステキでした!」
と目を輝かせながらお土産のお菓子を下さいました。ちなみにこの店長さん、私が宝塚観劇歴40年とはご存じ無い。興味深いのでも少し詳しく聞いてみると、いわゆる会社の慰安旅行みたいなもので、毎年大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)か劇団四季観劇か、宝塚歌劇観劇の何れかを選ぶらしい。
 素晴らしい会社じゃありませんか?ねぇ皆さん?
 で、この方は昨年に続いて宝塚観劇を選んだそうで、大変感激したので、会う人会う人全員に宝塚の素晴らしさを話してまわっているそうです。
「あんたは偉い!」
とは言えませんでしたが心の中で叫びました。近年まれに見る嬉しい話です。ただ、せっかく宝塚ファンになった多くの方と同じで「チケットが全く手に入らないんですよ」との事でした。何とかしてさしあげたいものです。

《宙組公演》
 さて、2018年最後の宝塚観劇は奇しくも店長さんのご覧になった真風涼帆さん主演の宙組公演でした。
 今回は第1部が日本物レヴュー(45分)、第2部が洋物のお芝居(105分)という構成です。ちなみに、なぜ宝塚では日本物が第1部かと言うと、顔や首筋や手を白く塗る化粧準備や着物衣裳の準備に35分間の休憩時間では間に合わないからであります。近年、宙組や花組の洋物は題材のせいか?VISAカード等のスポンサーが付かないせいか?衣裳がえらく地味で弱いので、今回みたいにお着物など予算を削る事の出来ない豪華絢爛な日本物が前に来てしまうと本当のところバランスが悪いのです。

 私が観劇した水曜日の昼間の回には沢山の高校生の男女が団体さんで来てました。新しい宝塚ファンが生まれます様に。
『白鷺の城』
大野拓史/作・演出
 貴公子の陰陽師(おんみょうじ)・安倍泰成(あべのやすなり)と妖狐玉藻前(ようこたまものまえ)の対決を名城白鷺の城までを描く。
 和物の名手大野氏初めてのショー作品、伝統のチョンバでスタートする前から台詞が出てきたりのドラマティックな展開にビックリしました。振付スタッフに山村友五郎氏、元星組トップスターの峰さを理氏、ダンスの平澤智氏とバラエティに富んだ顔ぶれ、宙組メンバーに専科で日舞の大家松本悠里さんが加わります。
「トップスター真風の陰陽師を見たいから作品にした」とは演出家の大野氏。
 日本物経験が全く無いという、トップ娘役星風まどかさんの変幻も見処であります。ただ2番手の芹香斗亜さん以下の男役さんや娘役さんは日本物のメイクをしてしまうと区別がつきにくいのが難点でした。

『ミュージカル・プレイ
異人たちのルネサンス〜ダ・ヴィンチが描いた記憶〜』

田渕大輔/作・演出
御織ゆみ乃・KAORIalive/振付
 お金のかかってない衣裳を別にすれば、真風さんのレオナルド・ダ・ヴィンチは真実味があって適役でした。カテリーナ役の星風まどかさんとの純愛も説得力があり、たいへん良く書けた台本だな、と感心いたしました。
 もちろん創作部分は多いはずですが、最後の方で悪党連中に囲まれたレオナルドが「お前も闘え!」と言われ落ちていた剣を拾い上げ構えた時は流石にわたくし一瞬のけぞりました!絵筆しか持てないはず?のレオナルドの剣豪ぶりがまた素敵でした。そしてラスト舞台中央に《モナリザの微笑》の絵が登場した時は感動しました。さすがにザ・タイガースの歌は聴こえてきませんでしたが。
 2番手男役の芹香斗亜さんも権力をかざす悪役でようやく好い人キャラから脱皮してお芝居で存在感を残せて良かったと思います。

 お芝居の上演時間が通常より10分長いのは宝塚名物のグランド・フィナーレが加わるからであります。ちなみに振付初参加のKAORIalive氏はこのフィナーレを担当しました。
@男役3人の歌とダンス
A娘役ラインダンス
B真風さんと大勢の娘役さんの大階段のダンス
C男役さんのダンス
D真風さんと星風さんのデュエットダンス
Eパレード  いずれもお芝居のムードを引きずったあたりは演出家のセンスの良さを感じました。ラインダンスの衣裳がピエロだったのも新鮮。真風さんが絵を描く振りが入ったり、セリで降りてゆく時も表情がドラマティックだったし、デュエット・ダンスでの夢の世界で結ばれる主演コンビの姿にはウルウルしてしまいました。

 さて、宙組のムードメーカーであり、近年ラスプーチン等の怪演で作品を盛り上げてきた愛月ひかるさんがこの公演を最後に専科に移動するそうです。彼女の将来を大切に考えた人事である事を願います。

《お正月宝塚テレビ特番のお知らせ》
 カルチャー教室の店長さんの様に「ぜひ一度宝塚歌劇を観てみたいわ!」という皆様に耳よりのお知らせがあります。年明けて2019年1月2日と3日にテレビで宝塚特番があるので、どんなものかをチェックしてみましょうね。
1月2日(水)16時15分〜16時58分
NHK総合テレビ(全国放送)

『トップスターが語るタカラヅカ』
 インタビューを中心とした番組構成で、宝塚トップスターの素顔も見れます。
1月3日(木)16時〜17時30分
NHKBSプレミアム

 星組公演の最新レヴュー『ESTRELLAS〜星たち〜』をノーカット放送。
 東京宝塚劇場では2019年2月15日〜3月24日に上演されますが、多分チケットは入手困難ですのでこのテレビ放送をご覧下さいね。

天野 俊哉



Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.