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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1541 フランシス・レイ追悼〜パリのレヴュー音楽も最高でした!
 フランス映画音楽の巨匠フランシス・レイが亡くなりました。私はそのニュースを日本時間11月8日に知ったのですが、その時点で「亡くなった日時はハッキリしない」みたいな言葉が添えられているのに少なからずショックを受けました。だって映画音楽の巨匠ですよ!まわりに側近のひとりもいなかったのだろうか?信じられない。

 私は今でも熱烈なハリウッド映画ファンですので、フランス映画やフランス映画音楽とはあまり縁がありません。よって、巨匠フランシスの音楽にしても
“男と女”
“白い恋人たち”
“ある愛の詩”

位しか知りません。
 それで追悼コラムかい?
 満員電車でこのコラムを読まれている皆さまのぶちギレ寸前のお顔が目に浮かびます。

 “男と女”は小学生の頃、映画の宣伝で、主人公の恋人同士のラブシーンと音楽がテレビで流れていたのを聴いただけ。あの“ダバダバダ、ダバダバダ”という有名な部分だけがしっかりとインプットされてしまいました!
 さすが!巨匠フランシス。

 “白い恋人たち”は残念ながら曲よりも、休み明けに誰かがお土産で買ってきてくれるお菓子のネームバリューに負けてしまって上手くコメントが出来ません。
 スマン!巨匠フランシス。

 さて、巨匠フランシスが音楽を担当したアメリカ映画の名作『ある愛の詩』にはアンビリーバボーなこんな流れがあります。
 1969年に倒産寸前のパラマウント映画の建て直しの為にスカウトされたのがプロデューサーのロバート・エヴァンス、以下ボブね。
 フランス映画みたいなロマンティックな恋愛映画『ある愛の詩』を製作、自信満々で試写室の椅子に座るも映し出された画面にがく然としました。
「なんだこれ!全然ロマンティックじゃない!」
とスタッフ相手にぶちギレた。
 フランス映画『男と女』みたいな映画を期待していたボブは、事務所に戻るやいなや彼の親友である世界の大スター、アラン・ドロンに電話を。
「なあアラン、“男と女”みたいなロマンティックな曲が欲しいんだが?」
 ボブ曰く、フランス映画界でアランに逆らえる奴は居ないとか。そのアランの命令で曲を書かされた巨匠フランシスの“タラララン”の名曲は全世界で大ヒット、映画も大ヒット、そして巨匠フランシス自身もアカデミー主題歌賞を受賞するというオマケまで付きました。

 一番好きな巨匠フランシスの曲は?と聞かれたら真っ先に挙げたいのは映画『愛と哀しみのボレロ』の為に書いた“フォリー・ベルジュール”というショー音楽です。
 映画では10分近くに渡って音楽が流れます。その間、台詞は最小限に、物語が一気に展開してゆくのがいかにもフランス映画らしい。
 パリのキャバレー、フォーリー・ベルジュールを舞台に、ジョセフィン・ベーカーをモデルにした様な黒人のショーダンサーが歌い踊り、演奏している若きピアニストの男性とヴァイオリニストの女性が恋に落ち結婚する場面になります。
 巨匠フランシスの優雅なメロディが素敵すぎる!
 また同じ曲に別の歌詞が付いて、ナイトクラブの女性歌手が歌うバラードとして再登場し、こちらも強い印象を残しました。

 劇場での感動が冷めやらぬまま、SKDの浅草国際劇場での『1982年の東京踊り』のレヴュー・ナンバーとしてこの“フォーリー・ベルジュール”が登場したのは嬉しかったです。歌ったのが先日のSKDスタス・レヴュー公演に出演予定だった立原千穂さんでした。
 本舞台での装置転換中の幕前のナンバーで、6分近くありましたが、巨匠フランシスのメロディ、小井戸秀宅先生の振付、立原千穂さんのハスキーな歌、羽根を持った男役さんの優雅なダンス、どれを取っても文句なしのレヴュー・ナンバーに仕上がってました。

 この様にレヴュー音楽を手掛けても最高だったフランシス・レイ。
 巨匠フランシスのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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