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Vol.1533 ミリアム・ネルソンさん追悼〜女性タップ・ダンサー
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第二次大戦中のパラマウント映画に『ハリウッド宝船』“Duffys Tavern”(1945)というミュージカル作品があります。ビング・クロスビーをはじめとする当時のパラマウント映画のスター達をズラッと並べただけの簡単な映画で、俳優たちは小芝居を、ミュージカル・スター達は歌や踊りを披露する訳ですね。当時のパラマウントにはジョニー・コイというアクの強い専属タップ・ダンサーがいて、ここでも偉そうにタップを踏んでるのですが、いつもと違うのは、佐々木隆子先生の様な長身で美人の女性タップ・ダンサーとデュエットしちゃってる事です。白いワンピースがより隆子を思い出させてくれます。見たことも無いしタイトルに名前も出ないからずっと「誰なんだろう?」と気にはなってました。
今年のはじめ、たまたまYouTube映像でこの映画のタップダンス・ナンバーを発見、女性の名前がミリアム何とかさんとありました。脇役ダンサーとしてコロンビア映画『カバーガール』(1944)にも出演し、“Put Me to the Test”ナンバーでは、ジーン・ケリーと短いデュエットをしていたり凄いキャリアです。インタビュー映像やラスティ・フランクさんとのデュエット映像なんかも豊富にあってビックリしました。しかも90代で「まだまだ現役のタップダンサー」みたいな紹介がしてありました。
話は飛んでつい最近の事です。
10月20日発売の映画雑誌「キネマ旬報」誌を久々に購入しました。少し前に頂いた¥1000の図書カードで買える本を探していたのですね。
かなり遅れての訃報欄には興味深いお名前が『ミリアム・ネルソンさん(米国/振付師/ダンサー)8月12日死亡。98歳。
14歳でダンサーとして始動し、39年にブロードウェイ・デビュー。41年にジーン・ネルソンと結婚』云々とあります。
「松本先生ご贔屓のタップ・ダンサー、ジーン・ネルソンの奥さんてダンサーだったんだ!」と驚き、ダンサーとして『カバーガール』に出演していることにも驚きました。
ミリアム、ミリアム、ミリアム?
もしかしてあの人かも?
そして、ジョニー・コイやジーン・ケリーとデュエットしていたのが、まさにミリアム・ネルソンさんだとわかりました。
『キネマ旬報』にはミリアムさんが、ジーン・ネルソンとドリス・デイ主演の『二人でお茶を』(1950)で振付を担当したとあります。という事はジーン・ネルソンのあの素晴らしいデュエット・ダンスの創作はミリアムさんと二人で行っていたのかも知れませんね。
ジーン・ネルソンとは1956年に離婚したそうですが、その後も映画『ピクニック』のダンス振付も担当したそうです。ウィリアム・ホールデンとキム・ノヴァクが夜の公園で踊るセクシーな“Moonglow”を振付したのですね。
とは言えミリアムさんはタップ・ダンサーとして映画で活躍していたのですから、晩年まで舞台やテレビやナイトクラブ等に出演し続けたのでしょうね。
興味のある方はYouTubeで《Miriam Nelson》を検索してみて下さいね。
特に、若い頃の踊る姿が佐々木隆子先生にそっくりですよ。
あと2年で記念すべき100歳だったのにホント残念です。
ミリアム・ネルソンさんのご冥福をお祈りいたします。
天野 俊哉
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