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Vol.1525 『ミュージカル映画特集』シネマヴェーラ渋谷そのB アステア登場
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瀬川昌久先生セレクションによる『ミュージカル映画特集』が11月16日(金)まで名画座シネマヴェーラ渋谷にて開催されます。
今回は11月3日(土)から11月9日(金)までのプログラムからフレッド・アステアとジーン・ケリー主演のダンスたっぷりのミュージカル映画4作品を取り上げます。
『ロバータ』
“Roberta”(1934)
アイリーン・ダン
フレッド・アステア
ジンジャー・ロジャース
ジェローム・カーンの甘美な名曲だらけのブロードウェイ・ミュージカルの映画版。どちらかと言うとドラマ女優の印象が強いアイリーン・ダンが見事な歌を聴かせてくれます。が、なんといっても私達のお目当てはフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースのダンス・デュエットであります。映画が始まって30分してようやくステップを踏み出すアステア&ロジャース。アカペラで見せるタップ合戦が珍しい。まだ若くてアステアに敵意を持つ前のロジャースは本当に楽しそうに踊っています。また、優雅なデュエット・ダンスやアステアの若さ溢れるタップ・ソロもありますが、主役はアイリーン・ダンですので念のため。
『ジーグフェルド・フォリーズ』
“Ziegfeld Follies”(1946)
フレッド・アステア
ジーン・ケリー
ジュディ・ガーランド
一世を風靡したレヴューのプロテューサー、フロレンツ・ジーグフェルドが生きていたらどんなレヴューを創っていただろうか?という発想から製作されたMGM映画のオールスター・キャストによるミュージカル映画。
フレッド・アステアは4場面に登場してシド・チャリス、ルシル・ブレマー、ジーン・ケリーらとデュエットします。また、わがままなスター女優を熱演するジュディ・ガーランドや、電話コントのキーナン・ウイン、お酒のコマーシャルを熱演するレッド・スケルトンの場面などミュージカル・ナンバー以外も楽しめます。美術出身のヴィンセント・ミネリ監督による凝った作風が作品全体に独特のムードを与えています。
日本では長いこと幻の存在でしたが1986年頃に劇場公開され、飛んで行きました。
『バンドワゴン』
“The Band Wagon”(1953)
フレッド・アステア
シド・チャリス
ジャック・ブキャナン
日本のフレッド・アステアこと白川希さんから「アステアがサイモン&ガーファンクルのテレビ・ショーで踊ってる映像があるんですよ!」との凄い情報を頂きさっそくチェックしてみました。アステアは既に69歳なのに1968年当時の新しい感覚を受け入れて踊っているのに驚きました。
この『バンドワゴン』が製作された1953年、すでに中年期だったアステアがそんな自分をパロったトニー・ハンターという過去のスターを堂々と演じたところが凄い。アステアが芸達者な共演者たちに囲まれてショービジネスがいかに素敵な世界かを感じさせてくれる傑作ミュージカル映画。主題歌として書かれた“That's Entertainment”がMGM創立50周年記念映画のタイトルになりました。
『踊る大紐育』
“On the Town”(1949)
ジーン・ケリー
フランク・シナトラ
アン・ミラー
ヴェラ-エレン
1944年ブロードウェイで上演された『On the Town』をMGMが映画化することに。『私を野球に連れてって』を大ヒットさせたジーン・ケリーとスタンリー・ドネンのコンビを脚本から監督に昇格させました。2人は映画を撮影所でつくる時代にニューヨークまでロケーション撮影に乗りだし、ダイナミックな作品に作り上げました。3人の水兵が町中を歌い廻るオープニング・ナンバーが素晴らしい。あくまでモダン・バレエが主流ですが、アン・ミラーを中心とした美術館でのタップ・ダンス、バレエ・スタジオでのジーン・ケリーとヴェラ-エレンの甘いタップ・デュエットはやはり心地好いものですね。来年ブロードウェイのオリジナル版を宝塚歌劇団が上演するそうでそちらも楽しみですね。
天野 俊哉
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