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Vol.1514 つのだたかしさんのコンサートに行ってきました
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〜あたらしい場所、あたらしい出会い〜
9月9日(日)、新所沢の松明堂音楽ホールで行われた「帰ってきた ひまな日曜日 第3回 タンゴノスタルジア」に行ってきました。
まず、どこから説明して良いのやら、という感じですが、つのだたかしさんはリュート奏者で、リュートは中世からバロック期に用いられた弦の古楽器の総称で(吟遊詩人がポロリンと鳴らすやつ)、漫画家のつのだじろうさん(恐怖新聞とかご存じですか?)は実兄、メリー・ジェーンで有名なつのだ☆ひろさんは実弟といった芸術家ご一家。大変失礼ながら、私はこれまで、たかしさんのことは存知上げませんでした。たまたま譲り受けたチケットが石丸幹二さんとつのださんの二人コンサートで、その演奏とお人柄に惹かれて今回は2回目。つのださんが亭主役となり、アルゼンチンのギタリスト、レオナルド・ブラーボさんをゲストにお迎えしての演奏会です。
松明堂音楽ホールは、ビルの地下にある洞窟のような小さな小さなホールですが、リュートの演奏が美しく響くように設計されているそうです。木でできた4人掛けのベンチが並び、背もたれと座面には白い荒布でできたクッションがふんわりと置かれています。定員は80名、舞台の高さはそうですね30cmくらいかな。新所沢という、家からかなり遠いのに行ってみる気になったのは、もちろん、つのださんの演奏が聴きたかったからですが、松明堂音楽ホールを見てみたかったからでもあります。期待に違わず暖かい雰囲気の空間で、隠れキリシタンが集まる村の教会といった感じでしょうか。スタッフの方のおもてなしも行き届いていて、コンサートが始まる前にひざ掛けの貸し出しがあったり、休憩時間に紙コップでワインの振る舞いがあったりと、ほんと、気の置けない仲間うちの集まりのようでした。
演奏の方は言うまでもなく素晴らしく、お二人とも話術にも長けていて(ブラーボさんもかなり日本語がお上手でした)、常連とおぼしき来場者のみなさんは多分、演奏聴くのが半分、楽しい話を聞くのが半分で、いつも足を運んでいるのではないかと推測しています。つのださんの服装はかなり独特で、確か石丸さんと共演した時も同じだったと思うのですが、ぱっと見、作務衣のようでダークな色の上下でした。良く見ると上部は合わせではなく丸首なのですが、やっぱり印象としては作務衣で職人さんっぽい。白くて長い髭が顔を囲んでいて、まあ一言でいえば仙人ですね。御年七十いくつのおじいちゃん(失礼!)で、もしかしたらこれまで色々とご苦労もあったのかもしれませんが、「飄々」を具現化するとこんな感じかと思われます。芸術家なので情熱や繊細さを内に秘めていらっしゃるのでしょうが、それがこれ見よがしに表に出てこないところが良いですね。
話は飛びますが、私は普段、雑誌などに占いが載っていると必ず読むくせに、あまり信じてはいないのですが、「今月出会う人たちは、ことごとく常識破りで今までの考え方ではついていけないタイプ。少しずつ考えを理解して行こうとすると自分の殻を破って成長していけます」とあって、職場と家を往復する毎日なのに、どこに出会いなんてあるものか、と思っていたところ、今月は当たりましたね。これかあと思いました。
若い頃は誰でもそうでしょうが、人にしても物にしても、無限に新しい出会いがあると信じていて、私なども服など色違いで複数買うなどということは絶対にしませんでした。お金が無かったせいもありますが、「守りに入ってはいけない、もっと自分にぴったりくる別の出会いがあるはず」という気負いでいっぱいだったのです。今は、同じようなことの繰り返しの毎日の中で、キラッとするものを運よく見つけたら機を逃さず捕まえる、そんな大人になりました。本当の意味での出会いってそれほどないってことがわかってくるんですね、この年齢になると。
次回は3月3日、珍しいリュートのデュオという企画だそうです。この出会い、しっかり掴んで離さないようにしなくては。
M.S
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