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Vol.1509 フランク・シナトラの伝記ドラマを発見
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父親のリクエストに答えようとグリア・ガースンの『心の旅路』探しの旅に出たわたし。もうシリーズ化しそうな勢いです。
この日、途中下車したお茶の水駅近くのDISK UNIONで見つけたのが、まさかのフランク・シナトラの伝記ドラマ。映画ではなくてテレビで放送されたもののDVDです。こんなものがあるなんて知らなかった!
確かにジャケットの人物はフランク・シナトラではない。
『フランク・シナトラ ザ・グレイテスト・ストーリー』
1992年製作
ジャケットの裏にはエミー賞演出監督賞/衣装賞、ゴールデングローブ賞作品賞受賞作品と。
フランク・シナトラ役にフィリップ・カズノフとあるけど知らない俳優。
この商品、未開封で¥850とある。定価が¥3980。
映画としても音楽としてもどっちつかずである事にはかわりない訳で、安くても買う気にはなりませんでした。一度は棚に戻そうとしたのですが、その時目にはいったのが《TWO DISK》の文字でした。ジャケットには収録時間が143分+95分とある。トータル238分ですから約4時間ですね。
「なるほど、これくらいの時間を使えばシナトラの話が描けるかな」と思った私は商品を持ってレジに向かいました。
フランク・シナトラ(1915〜1998)はアメリカが生んだ最高の歌手であり、俳優であり、スキャンダルの王様であります。今年で没後20年なんて早いものです。このコラムにも数えきれない位登場しているはずです。
まず1枚目143分を一気に観てしまいました!とにかくテンポが良くて面白いのです。アーウィン・ショーやキティ・ケリーの書いた評伝のスリリングな、本人的にはイヤな部分もしっかり抑えてあります。一言で言えば《美化してない!》のですね。スキャンダラスなエピソードをキチンと盛り込む事でもう及第点。コマーシャルが入る、フェードアウトする部分の気持ち悪さだけは頂けませんでした。
シナトラ役の人は喋る声が若い頃のシナトラにそっくり。まあ、歌はシナトラ本人のマスター・レコーディング音源を使ってますので、急に歌の場面になっても違和感ありません。音楽のセレクトがまた上手くて嬉しくなりました。
問題なのは、俳優陣が実在の人物に全く似ていない!
ハリー・ジェームス
トミー・ドーシー
バディ・リッチ
マリリン・マクスウェル
ベニー・グッドマン
ジーン・ティアニー
ジョン・F・ケネディ
サミー・デイビスJr.
ミア・ファロー
皆さん「貴方は誰?」って感じです。もう辛いほど。
そのくせ、シナトラの最初の奥さんナンシー役の女優が凄い美人で、私の知るナンシーさんより遥かに美人。逆にハリウッドきってのグラマラスな美人女優で、シナトラの2番目の奥さんになったエヴァ役の女優さんには凄い手抜きをしているのです。
(写真下 上段左からハリー・ジェームス/ナンシー・バルバト/エヴァ・ガードナー。下段は俳優陣)
不思議に思いながら1枚目の前編が終わり、スタッフのクレジットをみてビックリ、総合プロデューサーがシナトラとナンシーさんの娘ティナ・シナトラなのです。自分のお母さんに美人女優を持ってきおった。私ならナンシー役とエヴァ役をチェンジしましたぜ。
まあ良い。
2枚目の後編ではサミー・デイビスJr.の事故からジョン・F・ケネディの選挙戦とケネディの裏切り、シナトラのマフィア問題、親友ハンク・サニコーラとの訣別までをも取り上げているのは驚きでした。実に深い創りになっていました。
皮肉なのは最初の奥さんナンシーは、シナトラに「ハリー・ジェームス楽団と貧乏巡業していた頃が一番幸せだった!」とシナトラを責め、2番目の奥さんエヴァは「あなたが落ちぶれて弱っていた頃が一番幸せだった!」と言ってシナトラを責める場面が印象的でした。
フランク・シナトラが得た百万の富は彼が亡くなった時ティナ・シナトラを含めた3人の子供たちには分けられず、4番目の奥さんとなったバーバラに全て持って行かれたという悲しいニュースを見たことがあります。
ショー・ビジネスのドラマなのに、「人生で一番大切な物って何だろう?」と考えさせられる作品でした。
さあ、またまた脱線してしましたがグリア・ガースンの『心の旅路』探しを諦めた訳ではありませんよ。
では、また。
天野 俊哉
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