TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.1508 『ボルサリーノ』
 父親のリクエストに答えようとグリア・ガースンの『心の旅路』を探しに外出した私。「わざわざ出掛けなくたってネットで探せば直ぐでしょ?」という声が聞こえてきますが、そのような楽をしていては出逢いはありませんのよ。
 皆さまのそんな心の声も聴かずに毎日毎日教室近辺のBook OffやDVDショップを探索するも中々出会えませんね、『心の旅路』。
 暑くて疲れるなんて事はまるでありませんが、無駄な買い物がオプションで付いてくるのが困ります。
 最近のBook OffではコンサートDVDや宝塚歌劇のライブDVDの値下げが凄い。
 宝塚なんて¥10800の商品、この間まで¥8000前後と高価だったのに、¥5000を割り込んで¥3000なんてものも。観劇すれば、ひと公演¥8800もするので¥3000なら直ぐに買いであります。水夏希さんや大和悠河さんや大空裕飛さんのトップ時代の公演DVDは持っていないので是非もう一度観てみたい。
 何処の店でも大量に余っていてズラッとならんでいるので、選ぶのが大変です!
 『ベルばら』が¥500コーナーに並ぶ日が来るかも?
 ちなみに、この日に買ってしまったのは、
コン・ユ主演の韓流ホラー映画『新感染』
高峰秀子主演の文芸作品『細雪』
アラン・ドロン主演のフランス映画『ボルサリーノ』
の3本で、ミュージカルとかハリウッドとは何のご縁も無いものばかり。たまに《タップ・ダンスの先生》、という自分の職業を思い出せなくなる事もあります。

 さて、私のタップのクラスのレパートリーのひとつになっている事からこの日に購入したのが懐かしい映画『ボルサリーノ』。CDとビデオは持ってましたがDVDを買うなんて!
 クロード・ボーリングの小粋なジャズが全編に流れるフランス製のギャング映画。あのメロディが流れる度にタップを踏みたくなるので、全く映画に集中出来ませんでした。罪なやつ。
 私世代の映画ファンならば1970年代のアラン・ドロン人気をよくご存じのはず。ハンサムで、良い作品に恵まれ、さらには日本のテレビCMに出演していた凄いスターでした。
 日本ではアラン・ドロンの人気は不動でしたが、フランスではアランよりもぶ男なジャン・ポール・ベルモンドの方が断然人気があり、アラン・ドロンは手も足も出なかった!
 私がアランに注目したのがこうした時にあえてライバルを迎え入れて自分をも活かすプロデュース力でした。彼は早くから自分よりもキャリアのある大スターであるジャン・ギャバン、リノ・ヴァンチュラ、モーリス・ロネ、バート・ランカスター、リチャード・バートン、イヴ・モンタンを。そして、自分のライバルであるジャン・ポール・ベルモンド、ジャン・ルイ・トランティニアン、チャールズ・ブロンソン、さらには日本の三船敏郎までも自分の映画に招き、輝かせ、最後は自分アラン・ドロンを一番輝かせておりました。
 『ボルサリーノ』でもギャラが高いのはベルモンド、出番が多いのもベルモンド、目立つのもベルモンド、最後に死んで作品をさらうのもベルモンド、でも記憶に残るのはアラン・ドロンなのでした。
 だってハンサムですからね。
 そんなこんなで自分主義のフランスでは、映画の撮影中からアランとベルモンドの間には喧嘩がたえず、続編の『ボルサリーノ2』にはベルモンドは出演しませんでした。
 ところが30年も後になって、二人が再び競演するという珍事がありました。作品は『ハーフ・ア・チャンス』で、若き日のヴァネッサ・パラディ(後にジョニー・デップの恋人)がアランとベルモンドの二大スターと堂々の主演を。すっかりお年をめした二人ですが、悪党に追われた場面で「お互いに若くないんだからアクションはやめようぜ!」なんてセリフに続いて懐かしの“ボルサリーノ”のメロディが流れてくると俄然ハッスル、昔の様に暴れてしまうなんて嬉しい場面の連続でした。

 さて大いに脱線しましたが、結局グリア・ガースンの『心の旅路』は見つからず、でありました。

天野 俊哉



Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.