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Vol.1500 2018夏休み『宝塚歌劇雪組公演』
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今年夏の宝塚歌劇は、もう20年近く前に上演されたエリッヒ・マリア・レマルク原作の『ミュージカル・プレイ/凱旋門』の再演と『パッショナブル・ショー/GATO BONITO!!』の二本立て。
『ミュージカル・プレイ/凱旋門』
柴田侑宏/脚本
謝珠栄/演出・振付
『凱旋門』(1948)は中学生の頃、リバイバル上映されたシャルル・ボワイエとイングリッド・バーグマンの映画を観て、あまりの暗さとつまらなさにショックを受けました!
それから25年後、あまり期待もせず観た宝塚歌劇版で再びショックを受けました!それでも懲りずにまた今回も観る事に。
一応映画のDVDで予習をしようと40年ぶりに再見をしましたが、最初観た時の印象は全く変わらず!でした。
映画での主要キャストはほぼ4人、あとは脇役です。それを80名近い大所帯の劇団がむりやり役をこしらえてミュージカルにするには無理があります。
現在、雪組のトップスターは望海風斗さんですが、主役を演じるのは専科の轟悠さんという方。宝塚の不思議な所です。つまり、映画で渋いシャルル・ボワイエが演じた亡命医師ラヴィック役を轟さん。望海さんはルイス・カルハーンておじさんが演じたナイトクラブのドアマン役なんです。ストーリー・テラーで出番を増やしたりはしてましたが助演ですよね。確かに轟さんは魅力的な方ですが、やっとトップになれた望海さんのファンの方たちが気の毒に思えてなりません。ちなみに、イングリッド・バーグマンが演じた摩訶不思議な女ジョアンには当然の事ながらトップ娘役の真彩希帆さん。
ただ133分の長すぎる映画を観た後の観劇だったせいもあり、地味さ暗さを別にすればラヴィックの心理状態は分かりやすく、ジョアンの台詞を修正した事で好感度が上がりました。そして何より全体のテンポが良く、生まれて初めて『凱旋門』を楽しむ事が出来ました。
ここで35分間の休憩。
『パッショナブル・ショー/GATO BONITO!!』
作・演出/藤井大介
さて、重いお芝居の反動か?めちゃテンションの高いショーでした。
最近、宝塚でも才能のある若手演出家が次々登場するせいか、藤井氏の作品が際立って見える事も減ってきた様な気はしますが、猫ブームに目をつけ、キュートな衣裳を着せ、さらに夏らしくラテンで攻めるアイデアはヅカファンを惹き付けまるには充分。
まず、藤井氏に苦言から申せばトップスターの望海さんの客席降りが2回はあまりに多すぎた!しかも長すぎた!私ら2階席にいた観客は憤慨しておりましたよ!
次。
久しぶりのA席で、オーケストラ・ボックスがよく見えたのですが、パーカッションを多用するアフリカンのナンバーや、ストリングスをフルに生かすタンゴのナンバーなど、後半30分のほとんどが録音でした。まあ予算の関係もあるでしょうが、オーケストラの生演奏を楽しみにしている私みたいな人間にとっては残念な結果でした。
今度は藤井氏に感謝したい事は、私達がよく知らない雪組生に少しずつ歌わせる場面が多かったのと、雪組生全員が銀矯の上手から下手に歌いながら歩かせた事。しかもスター順ではなく下級生も上級生も順不同で、そんなところに藤井氏の暖かさを感じました。
望海風斗さんの圧倒的な歌唱力で引っ張る雪組ではありますが、ダンスが上手い2番手の彩風咲奈さん、キラキラ光る若手スターの朝美じゅんさん、永久輝せあさんらの存在も大きいですね。普段は下級生だけのラインダンスに彩風さんと娘役さんをプラスしたフォーメーションも新鮮。
そして、今回一番の収穫だったのは、DIAMOND☆DOGSの中塚皓平氏が振付に参加したアフリカンのナンバーでした。ジャンプ力やターンの切れなど、クオリティの高さを求める振付に対してダンサー達が食らいついてく姿が感動を呼びました。中塚氏みたいな新しい感覚の、宝塚なれしていない振付師を連れてきたからこそ緊張感のある作品が創れたのではないでしょうか?
他にも書きたいことは山ほどありますが、ここまでにしておきましょう。
帰りはタイ・レストランのティーヌーンで早めの夕食を取り帰宅しました。
この日はプリン君が淺野康子さんの家族になった4年目の記念日、宝塚の素敵な舞台といい最高の一日でした。
天野 俊哉
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