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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.150 気になるDVD:大人の魅力「ブロードウェイのバークレー夫妻」
 1930年代最高のダンス・コンビとして9本のミュージカルに主演した、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの10本目で、唯一のカラー作品です。と言えば聞こえが良いのですが、本当は「イースター・パレード」(1948)のヒットに気をよくしたMGMが、主演したフレッド・アステアとジュディ・ガーランドのために用意した2本目の作品でした。ところが、ガーランドが病気がちなためにロジャースにオファーが行った、というのが実際のところです。
 MGM一流のスタッフが集められた作品なので、それはそれは豪華で大人の魅力いっぱいです。仲の良いダンサー夫婦なのに妻の方がお芝居の世界にどっぷり浸かってしまい、コンビ解消の危機に、というストーリーが、当時のアステアとロジャースのパロディになっているのは皮肉です。
 私は初めて観た時からテンポの悪さ(109分)を感じていましたが、それはガーランドの歌うシーンがカットされてしまったからだと思います。周りを固める助演陣の顔ぶれも弱く、ドラマの部分が辛いです。逆に、歌のガーランドから踊りのロジャースに替わったことで、ダンス・ナンバーはハリウッド・ミュージカル史上最高のレベルのものが揃いました。“Swing Trot”“Bouncin the Blues”“My One and Only Highland Fling”“They Can't Take That Away From Me”“Manhattan Downbeat”の以上6曲が、ロバート・オルトン振付によるアステア&ロジャースのデュエット曲です。贅沢でしょ?
 1948年当時の最新ステップであったスイング・トロットからクラシカルなスタイル、タップからソフト・シューズまで、様々なスタイルで踊ってくれます。ロジャースをいかにスリムに見せるか工夫されたドレス・デザインにも注目してください。さらに、振付ハーメス・パンとアステアが、“Shoes With Wings On”という名トリック・ナンバーを創り出しました。「ザッツ・エンターテイメント」にも収められていましたが、このDVDで7分のノーカット版を是非観るべきですね。
 日本では一度も劇場公開されず、1980年代にビデオのみが発売されただけです。DVDはジュネス企画より発売されています。もう少し安い輸入盤もありますが、字幕スーパー無しでは楽しめない作品です。

天野 俊哉






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