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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1491 もうすぐ生誕100年マリオン・ハットン〜グレン・ミラー楽団の歌姫
 今ではすっかり忘れられた存在のビッグ・バンド・ジャズ。アメリカでは1930年代から1940年代半ばまで、日本でも戦後の1950年代頃にブームだったようです。私世代の映画ファンの間では『グレン・ミラー物語』がテレビ放映されると人気が高かったですね。
 かつてFEN(Far East Network=極東放送網 AM 810kHz)という米軍による米軍のためのラジオ放送でビッグバンドの番組があり、外国人のDJが格好よく声を張り上げていました!
 NHKの英語講座でも聴いていればもっと安定した人生が送れたのでしょうが。
 まあ良い。
 ビッグバンドの魅力はもちろんスター・プレイヤー達の演奏ですが、男性が演奏する中に可愛らしい女性歌手が登場して歌ったりするのもビッグバンドの売り物のひとつでした。
“In the Mood”
“American Patrol”
“Little Brown Jag”

等の音楽でタップダンスを習っておられる皆様がよくご存じのグレン・ミラー楽団にもそんな可愛らしい女性歌手がいました。
 マリオン・ハットンという歌手で、静かなバラードよりも派手な振りでみせるホットな曲が得意でした。
 かなり昔にマリオンが歌う“Say Si Si”という曲をタップで振付した事があります。
 決して美人ではないけどブロンドの髪が魅力的で表情が豊か、歌を聴いていればその歌う姿がが目に浮かぶほどでした。
 モダネアーズという男性4人のヴォーカル・グループを従えたマリオンの写真を見ただけでいまでもワクワクしてしまいます。
 グレン・ミラー楽団時代の1942年に楽団の一員として出演した音楽映画『オーケストラの妻たち』には、マリオン・ハットンとモダネアーズの最高の歌唱場面
“People Like You and Me”
“Kalamazoo”

の2曲が残されています。
 しかも“Kalamazoo”にはタップダンスのニコラス・ブラザーズによる凄いアクロバット・タップも出てきます!
 YouTubeで観ることが出来ますので、興味のあるかたはぜひ。スイングしてますよ!

 さて愛国心が強く人気絶頂の1942年に楽団を解散して軍隊に入隊してしまったグレン・ミラー。残された楽団メンバーは再就職先を探しました。
 キュートなマリオン・ハットンにはアイドルっぽい魅力と共に、妹の七光りがプラスに働きました。妹とは、パラマウント映画のミュージカル・スター、ベティ・ハットン。歌ったり踊ったりする姿はそっくりの姉妹でしたので、パラマウント以外の映画会社はマリオンに飛びつきました。
オルセン&ジョンソン主演
『Crazy House』
アボット&コステロ主演
『In Society』
マルクス・ブラザーズ主演
『Love Happy』

等に主演またはゲスト出演しました。皆様はご存じないと思いますが、オルセン&ジョンソンもアボット&コステロもマルクス・ブラザーズも、何れもアメリカン・コメディ界のビッグネームであり、マリオンの持つ明るい個性が作品にプラスになっておりました。特にアボット&コステロ主演のユニヴァーサルのコメディ映画は1940年代のアメリカにおける人気ナンバーワンでしたので、ある意味映画界で妹のベティと並んだのではないでしょうか?

 私が知っているマリオン・ハットンのショービジネスでのキャリアは以上です。
 今回はグレン・ミラー楽団の歌姫を取り上げました。

天野 俊哉



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