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Vol.1490 もうすぐ生誕100年ジェニファー・ジョーンズ〜演技派の美人女優
 1940年代のハリウッド映画で活躍した演技派の美人女優ジェニファー・ジョーンズがもうすぐ生誕100年を迎えます。ジェニファー・ジョーンズというと、どうしてもプライベートの悪いイメージが強すぎて、女優としての評価が見えてこないので、今回はその部分には触れません。

 舞台からハリウッド映画入りしたもののB級レベルでくすぶっていたジェニファーをスカウトしたのが『風と共に去りぬ』の製作でハリウッドの頂点に上り詰めたプロデューサーのデビッド・O・セルズニックでした。
 多分?セルズニックの力で『聖処女』という神がかりな作品に主演してアカデミー主演女優賞を受賞しました。私は映画ファンになって半世紀近くなるのにいまだにこの作品を観ておりませんが、批評を読む限りジェニファーの演技に称賛があつまっており、決してプロデューサーの七光りだけではないようです。
 その後主演した
『君去りし後』
『ラブレター』
『ジェニーの肖像』

などをテレビの深夜劇場でジェニファーの主演作をかなり観ましたが、同じくセルズニックの契約俳優であったジョセフ・コットンらとの共演が多くてイマイチ飛躍しきれなかった感があります。
 セルズニックはジェニファーに『風と共に去りぬ』の様な大作に主演させたかったみたいで、1946年の西部劇大作『白昼の決闘』はその勢いを感じました。気性が荒くて男性を手玉にとるあたりは『風』のスカーレット・オハラみたいでした。
 相手役はジョセフ・コットンと新人グレゴリー・ペックで、悪役を演じるグレゴリー・ペックが魅力的でジェニファーとのバランスも良かった。

 その後シャルル・ボワイエ、ハンフリー・ボガート、ジェームズ・メイスン、ジョン・ガーフィールドらの渋い男優やローレンス・オリビエの様な舞台俳優と共演して演技の幅を拡げますが、ヨーロッパで撮影した『終着駅』でのジェニファーが作品と共に素敵でした。
 1950年代に全世界でジェニファーの名前を不動のものにしたのが恋愛映画『慕情』でした。相手役は当時ハリウッドでの一番人気ウィリアム・ホールデン。
 中学生の頃、テレビでこの映画を観ていた私に映画好きの父が「日本の映画館で公開された『慕情』を観に行った時、右を向いても左を向いてもアベック(死語?)だらけだった!」と教えてくれましたっけ。
 このコラムの為に『慕情』を再見しましたが、ホールデンに比べてジェニファーの演技が確かなのにはビックリ、ラストシーンのただただ泣きじゃくる場面も説得力がありました。
 『慕情』ではホールデンの死を受け止めたジェニファーですが、名作の再映画化版『武器よさらば』では逆にジェニファー自身があの世に召されました。相手役のロック・ハドソンも悪くなかったけど、ジェニファーの最期の姿が見事でした。

 テレビ放映されるたびにチャンネルを合わせてしまうのがパニック映画の名作『タワーリング・インフェルノ』にもジェニファーは、スティーブ・マックイーンやポール・ニューマンら当時の大スター達と出演しております。
 すっかり中年になったジェニファーですが、やはり貫禄充分の(踊らない)フレッド・アステアと恋におちます。二人の結ばれない愛が涙を誘います。
 劇中、ジェニファーを失ったフレッド・アステアの演技が素晴らかった。

 多くの映画書や映画雑誌に《ジェニファー・ジョーンズは不幸な人生を送った》とありますが、亡くなったのは90歳ですので実は幸せな人生だったのかも知れませんね。

天野 俊哉



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