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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1486 宝塚観劇日記〜「あっち側に行っちゃう」ことのススメ〜
 紅ゆずるさん率いる星組公演を観てきました。今回のお芝居「ANOTHER WORLD」は和物。華やかなチョンパで始まり、艶やかな着物や扇子使いに引きこまれます。なんやショーみたいやなあ(早くも関西弁になっている)、と思っているうちに舞台は転換し、これが幽霊の話であることがわかってきます。そう、Another Worldとは、つまり「あの世」のこと。上方落語をベースに、紅節(くれないぶし)全開の「はちゃめちゃエンターテイメント」に仕上がっています。

 事前予習でMXテレビのカフェブレイクを見ていたところ七海ひろきさんが、トップコンビの紅さんと綺咲さんが二人とも関西の方なので、間の取り方など特訓を受けました、と話していました。七海さんは茨城の方ですが、私も根っからの関東人、大阪のノリに付いていけるのかしらん、ドン引きしてしまったらどうしょ、とちょっぴり不安を抱えて劇場に向かいました。

 ところが、そんなん、いらん心配でした。多分、私を含め宝塚を見慣れている方は皆さん、どんな設定の話でも即座に受け入れ、入り込むことが得意なのだと思うのです。ある時は第二次世界大戦下のヨーロッパ、またある時は漫画が原作の近未来と、国も時代も、はたまた虚実取り混ぜて、やすやすと「あっち側に行っちゃう」ことができるのですね。史実と違うとか、時代交渉がなってないとか、そんなん、楽しければええやん、ってなもんで。なんか、Another Worldに入り込んだ結果、変な関西弁風になってしまってすみません。

 話の筋は細かく説明してもしょーも無いので概略だけ申し上げますと、相思相愛でありながらそれとは知らずに恋煩いで死んでしまった若い二人や、この世に飽き飽きして芸者さんたちとふぐの肝を食べて物見遊山であの世にやってきた旦那ご一行などが、閻魔様の裁きを受けるべく道行を共にして・・・といった感じです。個人的に思わずクスッと笑ってしまったのは、一行が色々あったあげく閻魔様の部下である鬼たちに取り囲まれてしまい、紅が綺咲に向かって「こうして二人一緒に居られるのも今宵が限り、来年の今月今夜のこの月を、わての涙できっと曇らせてみせます・・・」と唸ったところで、鬼たちがひっくり返って笑い転げる。「来年の話をすると鬼が笑うと言うが、こいつらの弱点は来年の話だ!」ってところ。やはり関東人には「クスッ」くらいの笑いが性に合うようです。

 さて、話変わってショー「Killer Rouge」の方は、本公演のほか国内2か所をまわった後、台湾に持っていくので、そのことを強く意識した作品になっていました。衣裳一つとってもレトロ感のあるおしゃれな色使い、フリンジとはまた違うバブリーな感じのピロピロ飾り、これでもかとばかりビロードの上を縦横無尽に駆け回るラインストーン。踊りの方も衣裳に負けじとエネルギッシュでテンポが早いものが多く、みなさん頭から湯気が出ていました。ラインダンスの場面は、森山直太朗さん、コブクロなど、桜にちなんだJ-POPのメドレーで歌謡ショーのようなノリ。大階段で礼真琴さんが熱唱する「君が望むなら〜」の歌声に、心の中で「秀樹〜」と叫んでいたのは私だけではないはず。
 観終わった時は、なんか、台湾で現地のファンと一緒にペンライト振りまわして応援したような気分。妄想三昧、脳内トリップで、ただで台湾まで行って帰ってきたような達成感でした。阪急交通社さん、えらいすんません、営業妨害するつもりはこれっぽっちもありませんのや。お時間のある方は是非、実際に台湾まで行って応援してあげてくださいませ。

M.S.



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