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Vol.1484 もうすぐ生誕100年ジャック・パランス〜ハリウッドを代表する強面俳優
 かつてハリウッド映画界には正義か悪かのどちらかしか無かった。今回ご紹介するジャック・パランスは、そんな悪を代表する俳優です。

 ジャック初期の代表作と言えば西部劇の名作『シェーン』の悪役ガンマン。人相の悪さと、アラン・ラッド扮する早撃ちのシェーンに簡単に負けてしまう様が印象的でした。同じ頃の『第二の機会』では何とロープウェイの上で正義のロバート・ミッチャムと死闘を繰り広げました。他に何本も観てますが、どれも同じ様な印象だったはず。

 これではコラムにならないので、ビデオの棚を探っていたらジャックがハリウッド映画の大女優ジョーン・クロフォードと主演した犯罪もの『突然の恐怖』が出てきました。ジャックは舞台俳優の役で大人しく登場。何か凄く良い声をしているのですね。
 君は一体どんなキャリアだったんだい?
 少し調べてみると、舞台俳優出身でテネシー・ウィリアムス原作エリア・カザン演出の『欲望という名の電車』にも出演してるそうです。性格俳優目指していたのに、やはり強面が邪魔してしまったようですね。
 そんなジャックにとって、1955年に製作されたロバート・アルドリッチ監督のまるで舞台劇の様な映像化作品『悪徳』は彼の才能を十二分に生かしたものと言えましょう。ハリウッドの落ち目俳優のジャックの屋敷が主なセットで、映画会社の社長、プロデューサー、離婚寸前の妻、愛人の女優等が次から次へ登場して2時間のドラマが展開します。悪態もつかないし、人も死なないストレートプレイでした。映画の冒頭、ボクシングのスパーリングをする場面では、鍛えられた肉体と軽妙なフットワークを見せます。
 ジャックの声が良かった!

 ジャック・パランスの生誕コラムを書くに当たって、それ以降の映画作品を観たくなりました。
 フィルモグラフィから安く買えそうなDVDをBookOffで見つけてきました。
『軽蔑』
 1960年代のゴダール監督作品。フランス映画なのに、映画プロデューサー役のジャックだけは英語を喋る。ハリウッドの名士として出演したようですが、主演のブリジット・バルドーとのバランスも悪く、理解不能な作品でした。
『残酷の沼』
 カーニバルの見世物小屋を舞台にしたホラー映画で、ハリウッドの名優バージェス・メレディス、イギリスの名優ピーター・カッシングと渡り合うジャックはやはり大物でした。この頃は既に中年ですが、背が高いのでスーツがよく似合うのとパイプをくわえた姿が絵になります。
『バグダット・カフェ』
 1980年代に日本で凄かったミニシアター・ブームの代表的な作品にジャックが出演していたなんて。ウエスタン・ブーツをはいていい味を出していました。この作品はヨーロッパ(旧西ドイツ)がメインの製作なので対象にはなりませんでしたが、アメリカのアカデミー協会は、1980年代すでにハリウッドの伝説であるジャック・パランスにオスカーを授与したかった様です。
『シティ・スリッカーズ』
 ビリー・クリスタル主演の西部劇コメディでジャックはやっとアカデミー助演男優賞を受賞しましたが、先の『バグダット・カフェ』とは比べ物にならない程度の作品であり、映画の真ん中30分だけ出てきて直ぐに死んでしまう(老衰?)カウボーイの演技は流石でしたが、ジャックの本領を発揮したものではありませんでした。多分、本人が一番そう思っていたに違いありません。

 私の記憶にあるジャックの作品はこれだけです。
 今回はハリウッドを代表する強面俳優のジャック・パランスを取り上げました。

天野 俊哉



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