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Vol.1483 映画/舞台/宝塚月組公演『雨に唄えば』
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《映画『雨に唄えば』》
映画『雨に唄えば』は、ハリウッドを代表するダンシング・スターのジーン・ケリーが主演・振付だけでなく監督まで担当し1952年に大ヒットを記録したミュージカル映画です。その後、現在に至るまで日本でも長くミュージカル映画の名作として知られる様になりました。
私自身、幼少の頃すでにテレビの映画劇場でこの映画を観ており、主人公のジーン・ケリーがタイトルの“Singin in the Rain”を雨の中で歌い踊り、最後は自分の傘を前から歩いてくるおじさんにあげてしまう、という場面をとてもよく覚えています。
MGM映画50周年記念ミュージカル『ザッツ・エンタテインメント』の映画情報が初めて日本の映画雑誌に紹介された1974年6月にテレビ東京で『雨に唄えば』が放映されました。
当時は、日本語吹替え・カット版が当たり前で、“Moses”“Broadway Ballet”等ダンス・ナンバーのほとんどがカットされてましたが、それでも私の中では最高に素敵なミュージカル映画としてランクインされました。ちなみにジーン・ケリーの声を吹替えたのは愛川欽也さんでした!
初めてノーカットの完全版を観たのは大学時代にアメリカでビデオが発売された時でした。高い値段でレンタルしてきたビデオを阿部久志さんと一緒に観たのですが、ジーン・ケリーとドナルド・オコンナーの凄いタップ・デュエット“Moses”ばかりを繰り返し繰り返し観たものです。
1980年代半ばに日本でのビデオ発売と同時にヘラルド映画配給による映画館でのリバイバル上映が活発になりました。
私がインストラクターの仕事を始めた頃、「ジーン・ケリーの『雨に唄えば』を観てタップを習いに来ました!」という生徒が本当に多かったものです。
《舞台『雨に唄えば』》
大好きな『雨に唄えば』が、1980年代にブロードウェイ・ミュージカルとして来日。主演はイギリスのミュージカル・スターのトミー・スティール。
1960年代のミュージカル映画『心を繋ぐ6ペンス』『フィニアンの虹』を観てトミーを知ってましたが、好みのスターではなかったのでパスしました!
ただし、舞台のサントラ盤レコード(後にCD)を買い、すりきれるまで何度も何度も聴きました。トミーはモダン・バレエをこなせるダンサーではなかったので、プロダクション・ナンバー“Broadway Ballet”はタップダンスがメインの“Fascinating Rhythm”に替えられました。
1990年代には日本でも東山紀之さん&薬師丸ひろ子さん主演で上演されましたが、あまりにもピンとこなくてパスしました!
ただし、コメディ・リリーフ役の川平慈英さんだけは観ておくべきだったかな?と後悔しております。
2003年、今度は宝塚の舞台で上演されました。
主演は安蘭けいさん。
日比谷の日生劇場に本当に雨を降らせ、舞台後方にオーケストラを入れた本格的な上演スタイルに感心して何回も劇場に通いました。タップ・ダンスの振付を玉野和典さんが担当していましたが、やはり宝塚スタイルの(タップでない)ダンス・ナンバーが出てくるとホッとしてした記憶があります。
最近ではアダム・クーパー主演のロンドン版が来日、再来日公演を行い大ヒットしました。
例によって私は観に行けなかったのでCDだけを買い、オープニング曲の一部“Good Morning”を2015年のY's公演『PRECIOUS』で振付して女性メンバーとデュエットしました。私が『雨に唄えば』の曲を使って振付をしたのは現在のところこれだけです。
《宝塚月組公演『雨に唄えば』》
2018年7月3日、FIFAワールドカップ決勝トーナメントのベルギー戦で惜しくも敗れてしまった西野JAPAN。ベスト8入りにはなりませんでしたが、日本の成長を感じる本当に素晴らしい試合でした。
拍手を贈ります。
そんな大いなる寝不足の中、赤坂ACTシアターで宝塚月組公演を観てきました。前から9列目なのでとても舞台が近く、通路後ろなので広々してました。
ストーリーはほぼ完璧に頭に入っているミュージカルなので、楽しい音楽のオーケストラ演奏と共に、珠城りょうさんのドン・ロックウッド、美弥るりかさんのコズモ・ブラウン、美園さくらさんのキャシー・セルドンらの歌と踊りを満喫する事にしました。
珠城さんのガッチリ体系がジーン・ケリーそっくりで嬉しい、美弥さんは滑舌の良さと動きの軽やかさがドナルド・オコンナー、新人の美園さんはフレッシュな魅力で珠城さんとのバランスが取れている。次のトップ娘役になれます様に。
そして、リナ・ラモント役の方上手くて笑わせてくれました。
日生劇場の時より舞台が小さい事から、タップダンスを見せるにはちょう良い環境だと思いました。
〈ミュージカルナンバー〉
“Fit As A Fiddle”
タップを踏む珠城さんと美弥さん2人の距離を狭めればより一体感が出ましたね。
“All I Do Is Dream of You”
ケーキから飛び出したチャーミングな美園さんを見ていたら映画のデビー・レイノルズを思い出してウルッとしてしまった!
“Make Em Laugh”
ドナルド・オコンナーの十八番ナンバーをどう料理するか?振付師のセンスが試されるところですね。小道具の段取りも楽しくて美弥さんの魅力を引き出せた、と思います。このナンバーの編曲が映画を上回っている。
“You Were Meant For Me”
普通のダンス・デュエットでしたが主演コンビの相性の良さを感じました。装置が効果を出していました。
“Moses”
多分一番お稽古をしたのだと思います、タップお見事でした。
ナンバーに入るタイミングでの発声の先生役の方がえらく上手で3回位アンコールを。そう言えば、橋本祥先生も早口言葉お上手でしたね。
“Good Morning”
タップの振付に無理がなく軽快さが最高!
“Singin in the Rain”
珠城さんが本当にジーン・ケリーみたいでした。舞台のセンターに凄い量の雨を降らせてくれて、ずぶ濡れの珠城さんは大変そうでしたが観客である私達は幸せを感じました。
“Broadway Ballet”
この公演のほとんどのバトンと電飾をこのナンバーに注ぎ込んだみたい。キラキラ宝塚の豪華絢爛スペクタキュラー。
オーケストラは舞台上手に隠れての演奏で残念でしたが素晴らしかった!拍手。
もう何千回も聴いたであろう名曲もオーケストラの演奏で聴くと感動の度合いが違いますね。帰り道、これまでタップ・ダンスを通して知り合った沢山の方々の事をふと思い出してしまいました。
最高にご機嫌な一日でした!
天野 俊哉
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