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Vol.1469 戦争中アメリカは貧乏だった?(前編)
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先日、池袋の大きな書店の映画書籍コーナーで
『銀幕の大統領ロナルド・レーガン』なる新刊を見つけました。
ロナルド・レーガンは、1930年代から1950年代に俳優としてハリウッドの映画界で活躍した後、1960年代にはカリフォルニア州知事に、そして1980年に第40代アメリカ合衆国大統領になってしまった人物であります。大統領になったことから日本でも数々の評伝が発売され片っ端から読みましたが、当然の事ながら政界中心で俳優時代には軽く触れるだけの物ばかりでした。何故?今レーガンなのかは知りませんが『銀幕の』というタイトルは嬉しい。
が、その日に限ってその本を手にも取らず書店を後にしました。
「いつでも立ち読み出来るさ!」
大変だったのはそれからで、何処にも無いのですよ!レーガン本。
渋谷・二子玉川・自由が丘・新宿・ひばりが丘・東京・大宮・お茶の水・蒲田・春日部・市川・品川etc.毎日、教室に行くついでに探るも見つからず。
何故無いのか?
映画書として扱われていない?
そこで、普段は絶対に足を踏み入れないエリア、世界史やら人文やらノンフィクションやら戦争やらの棚を物色しました。しかし、大統領ならばリアルタイムでトランプ大統領ばかり。
当然か。
そんな時たまたま社会関連の書籍コーナーで目に飛び込んできたのが、
『銃後のアメリカ人:1941〜1945』なる本でした。
第二次世界大戦中のアメリカ映画でアメリカ市民の生活を観ると空襲もないし、ご馳走だらけだし、ビッグバンドの演奏で踊っているし、何せ映画がカラー映画だ。日本とは真逆のスゲエ裕福な世界だと誰もが信じていたはず。
ところが、ぜんぜん違うみたい!砂糖・ガソリン・タイヤ・靴・ゴム製品は配給制、肉不足からビーフでなくビーバーのハンバーガーが売られた?女性の下着(ガードル他)からゴムが消えたため、政府がダイエットを推奨した。
映画の章では、資材不足でセットが制限された?さらにはフィルムまで配給制だったとか。
これスゲエ!
私の知らない情報だらけ。
もうレーガン本どうでも良くなりました!
538ページ ペーパーバック版 ¥4800
と高価でしたが直ぐにレジに向かいました。
写真なんかまったく無くて全て文章。
@プレリュード・土曜日
日本による真珠湾攻撃で始まる太平洋戦争前夜の平和な土曜日から始まる。筆者によりどの様な日であったか?が描かれています。
A本土攻撃に備えて
西海岸、とりわけわが友、松本晋一さんが暮らすサンフランシスコでは、零戦の奇襲に備えた灯火管制があり、さらに日本軍の潜水艦を怖れていた。防空演習もあった。そして西海岸に住んでいた日本人が次々拘束された。スピルバーグ監督の『1941』がまさにそんな映画でしたね!
B激変する景観
町には軍需工場ばかりが造られた。また、若い男性が次々兵隊にとられてゆくので結婚率が一気に上昇した。町は高齢者だらけに。
C戦時生産
アメリカ市民に不可欠な自動車の生産を減らし、航空機の生産を増やす。さらに電気器具・乾電池・金属製家具・配管設備・お茶・玩具・チューブ・掃除機・自動販売機・窓枠etc.これらを制限か全面禁止。全て武器弾薬に変身した。日本と同じ事やっていたんだ。
D労働力と女性
女性の社会進出が盛んになり、航空機組立工場の40%が女性だった。戦争関連の仕事をする事で、戦地にいる恋人や夫と一緒に戦うぞ、という意識を持ったという。
ここまでで230ページ。
あんまり面白くて、興味深くて、考えさせられ、何度も読み返したため半月かかりました。
つづく。
天野 俊哉
↓バックナンバーもぜひご覧ください
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