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Vol.1463 もうすぐ生誕100年リナ・ロメイ〜ザビア・クガート楽団の美人歌手
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〈ルンバの王様〉と呼ばれ、アメリカに於いて絶大な人気を博したザビア・クガートと彼の楽団。
ニューヨークの超一流ホテルであるウォルドルフ・アストリアで16年間も演奏。
MGM映画とも契約をしていました。そのクガート楽団が最も華やかに活動していた時期である1940年代に専属歌手として歌っていたのが今回取り上げるリナ・ロメイです。
メキシコ人の父親とアイルランド人の母親の間に生まれたというリナ、ご覧の様な美人でありますが、私は彼女の事を何も知らないので、果たしてコラムになるのか?心配しながら文章にしております。
先ずはリーダーであるクガート楽団のCDを出してきてライナーノートを片っ端からチェックするもリナ情報は得られず。だいたい、クガート楽団ほどの人気楽団が、その記録でもあるディスコグラフィが存在しないので、専属歌手の事等が全く分かりません。ダイナ・ショアの名前が出てきたりするので余計混乱してしまいます。
次に、クガート楽団が出演した数々の映画のDVDを引っ張り出して来ました。幸いリナ絡みの作品が数本ありましたので、写真と解説でリナを讃えたいと思います。さらに、興味のある方はYouTube等もチェックして頂けると嬉しいです。
『晴れて今宵は』(1942)
フレッド・アステアとリタ・ヘイワース主演のコロンビア映画。ブエノスアイレスのホテルを舞台にしたミュージカル・コメディで、クガート楽団はそのホテルの専属楽団。アステアさんが映画開始後35分を経てやっとタップを踏むという腹立たしい映画でもあります。リナは“Chiu Chiu”“Wedding in the Spring”を歌いますが、アステアとの絡みはありませんでした。
『STAGE DOOR CANTEEN』(1943)
第二次大戦中のニューヨークに出現したアメリカ兵相手の娯楽酒場キャンティーンを舞台にした映画、演劇、音楽界のスターが大勢出演する作品。
ブロードウェイの大スターレイ・ボルジャー、エセル・マーマンの次に出演するクガート楽団。
沢山の兵隊を前に“Blond Bombshell From Brooklyn”を歌い、クガートとも軽く踊ります。
『姉妹と水兵』(1944)
MGM映画の若手女優ジューン・アリスンとグロリア・デ・ヘヴンの売り出し映画。先ずはナイトクラブの場面で、スイングのハリー・ジェームズ楽団の演奏から舞台がぐるりと廻ってラテンのクガート楽団が登場します。そして“Rumba Rumba”を歌います。大きな倉庫を改造して完成したキャンティーンでリナが“Take It Easy”を歌い、コメディアンのベン・ブルーと“Cachita”の曲で踊ります。
『世紀の女王』(1944)
水着の女王エスター・ウィリアムス売り出しのMGMテクニカラー大作。再びスイングのハリー・ジェームズ楽団と競演します。普通なら地味になる演奏場面も、クレーンを縦横無尽に動かすカメラワークで華やかに。先ずはプールサイドで“Bim Bam Boom”を歌い、ショー場面では“Alma Llanera”を歌い、男性ダンサー二人と踊ります。
『WEEKEND AT THE WALDORF』(1945)
先に触れたクガート楽団が専属だったウォルドルフ・アストリア・ホテルを舞台にした、実は名作『グランド・ホテル』のケチった再映画化。MGMらしい品格は保てたけれど物足りない作品。以前、松本晋一さんに本物のウォルドルフ・アストリア・ホテルでのクガート楽団の映像を見せていただいた事があるのですが、映画とは違って演奏する楽団も、踊るお客さんも大変窮屈そうで、まさにいも洗い状態でした。白黒画面ながら“Guadalajara”は派手なナンバーでした。
『THIS TIME FOR KEEPS』(1947)
エスター・ウィリアムス主演のテクニカラー・ミュージカル映画。この頃のクガートさんは手のひらサイズの小さな小さなワンコを抱えています。
リナは黒燕尾服のダンサーと“That's Why I Love To Dance”を歌い踊ったり、歌手のジョニー・ジョンストンと“Chiquita Banana”“Easy to Love”“Un Poquito De Amor”をデュエットしたりカラー画面にも栄えてとても美しいです。クガート楽団におけるリナ・ロメイの出演はここまでです。
1900年生まれのザビア・クガートも、1919年生まれのリナ・ロメイも共に90歳まで長生きされたそうです。
ご長寿万歳。
天野 俊哉
↓バックナンバーもぜひご覧ください
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