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Vol.1423 NTD1996年秘話〜そして次の時代に
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年があけて1996年のまだまだ寒い日、九品仏の牛丸先生のご自宅で一人の青年と会いました。彼は前の年のNTDで私がパクったジュディ・ガーランドの衣裳に触れてくれました。それが東京リズムボーイズの松本晋一さんでした。穴田英明さんと若手男性デュオのコンビを組んでまだ4年目、コンビ飛躍の為のナショナル参加だったそうです。
NTD1996年のオープニングを飾る代表者ナンバーの説明を受けに出演メンバーが集まりました。デューク・エリントンの“Skin Deep”というドラム・ソロの沢山入るジャズ・ナンバーを皆に聴かせる牛丸先生。
出演順は、牛丸先生と向井先生→天野→大高先生→渡辺さん→白井さん→松本さん→冨田先生→全員。
牛丸先生が得意気に「どうだ?」と皆にふると、「先生、ドラムの音がうるさいからカットした方が良いですよ!」事もあろうに新人の松本さん。シーンとなり、その場にいた全員が凍りついた!どの様に解決したのかは全く記憶にありませんが、自由が丘駅に向かう帰りの道で、冨田先生が「さすがに松本君のフォローは出来なかったなぁ」と笑わせてくれました。松本さんも「皆さんの様子から、不味い事を言ってしまったんだ!と焦りましたよ」。その後、何回か稽古を重ねリハーサルに臨みました。
場所は懐かしの用賀ホリプロ・スタジオでした。教室の後に遅れて到着した私の前に背が高くてハンサムな男性が現れ「はじめまして東京リズムボーイズの穴田英明です!」と挨拶を。5年前まではこんな気さくに挨拶を交わすなんて有り得なかったタップ界なのに。
この日が穴田さんと初対面でした。それにしてもその時、穴田さんが着ていた総スパンコールのジャケットの派手さに感心していると「これオープニングの衣裳ですよ」。色々な事情から、オープニングの出演が松本さんから穴田さんに変更したそうです。この日東京リズムボーイズの颯爽とした男性デュオの魅力に触れました。
さて、わが団体は5曲をまとめて「タップ・アラモードはいかが?」なるタイトルを付けました。リーダー亡き後の佐々木隆子タップダンス・スタジオがある意味、やっと安定した時代でした。
ようやく軌道に乗ってきた牛丸先生のNTDはこの1996年を最後に終了しました。
大変な事もありましたが、牛丸先生がいなければ玉野和典さん、冨田かおる先生、渡辺かずみさん、白井博之さん、東京リズムボーイズそして私達まで、今日のタップダンス界を築くダンサー達がクローズアップされる事は無かったのですね。この年に顔を揃えたタップ・ダンサー、タップダンス・スタジオのリーダー達が1999年から2005年に至る第二期ナショナル・タップ・デーの原動力になりました。
さて、何となく書いてしまったNTD初期のエピソードでした。古いビデオを出してきて映像をチェックすると、その頃一緒に活動していた仲間や友人が懐かしい。
私達をナショナル・タップ・デーに導いて下さったタップダンス界の先生方、先輩方に感謝を込めて。
天野 俊哉
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