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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1414 2018年の東京リズム劇場(後編)
 ピョンチャン・オリンピック開催と見事にぶつかった今回の東京リズム劇場。
 タップ以上に熱烈なフィギュア・ファンのK-TA君をアドバイザーに再び登場したのが「世界フィギュアタップ選手権」。司会役の白川希さんとコメンテーター役の倉形裕代先生の絶妙のやり取りと河上莉音さん演じる深田(浅田の逆)真央選手のタップが素晴らしい。私は白髪の佐藤信夫コーチ役を頂き寡黙に演じました。と言っても、ただ舞台に現れ、ハグをして、引っ込むだけでしたがやたら楽しかった!
 投げ込まれたお花を拾い上げたり、私達が座る椅子を出したり、タップを踏みながら椅子を持ったままフェード・アウトする大役を今回リズム劇場初参加の和田貴美子さんが可愛く演じました。とても大人しいお嬢さんのイメージでしたが、椅子を持ってバファローを踏む稽古でキャーキャー賑やかで私達を笑わせてくれました。

 若い頃に振付した“In Our United States”を今回初参加の増田千草さんとデュエットさせていただきました。デュエットには何故か毎回同じ流れがあって、まず稽古は10回以上かける、女性の衣裳が本番までに3回前後変わる等。衣裳は演出の松本先生からのOKが中々出ないとかで毎回パートナーの方が苦労するところ。今回も最終決定したのが公演の5日前だったので驚きました。
 とても女性的でキラキラした笑顔の増田さんですが、スカートでハイヒールで踊るのが人生初というあたりはやはり若者、逆にダンスではボブ・フォッシーの大ファンという古風な部分もあって古いミュージカルの話が沢山出来て良かった!増田さんとは岩本町のスタジオをはじめ中野新橋やら小岩やら都内の色々なスタジオをお借りして楽しく稽古しました。舞台ではその成果が十分に出せた、と思っております。

 稽古がスタートした初日の振付が、フィナーレ・ナンバーの“Quando Quando Quando”でした。前回と同じラテン曲ですが、新しい試みがその大ナンバーの前に同じ曲をスローで男女がダンスでデュエットする、というもの。まず、橋爪さんとRIKIYA兄さんがキャスティングされました。年末に森田洋輔さんと岩田映子さんの歌が加わりスケールアップしました。私は劇場のリハーサルで客席から観ましたが、橋爪さんの抜群のスタイル、男性とのセンスの良さから最高の場面になりました。

 そしてアップ・テンポのアレンジでのフィナーレに続くのです。橋爪さんは黒からワインピンクのドレスに凄い早替えでしたね。男性は衣裳屋さんからお借りした総スパンのジャケット。稽古の時から千秋楽まで踊りながら何枚のスパンが剥がれて飛んだことか?床に私のパープルのスパンが特に多く落ちているのでがく然としました。
 最初の飛び出しで私は松本先生と短いペアを、中盤のサルサ振りでは橋本祥先生と組ませて頂きました。橋本先生とは今回この短いペアを組んだだけでしたが、超近距離でラブラブぶりを演出しました。ここでは松本先生以外の男女7ペアが登場するのですが、橋爪さんが松本先生と共に親切にサルサ振りを皆を指導してくれました。
 そしてラストには全員が舞台に現れガンガン踊りまくりました。前回、フィナーレに歌が加わり凄く苦労したので「お願いだからタップだけね!」と全キャストが稽古場で最後まで祈り続けた場面でもありました。

 10回目とはまた違ったテイストのリズム劇場公演でした。橋爪麻美さんは、昨年春に出演した加藤邦保先生のタップ公演を経て、もう一人の巨匠松本晋一先生のナイスな演出と振付で最高に魅力的でした。私は舞台上も舞台裏も含めてエンジョイさせて頂きました。
 ここでは触れていない全体像は、多分演出の松本晋一先生がFaceBookとかで書かれるはずです。

 皆さま本当にありがとうございました!
※写真の掲載は承諾を得ています。

天野 俊哉


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