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Vol.1410 『さよなら日劇ラストショウ』とは?
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1月最後の水曜日、たまたま銀座を歩いていたら目に入ってきたのが《さよなら日劇ラストショウ》の文字でした。
「何だそれ?」が第一印象。
だって〈日劇〉は、私が大学生の時(1981年2月15日)に閉館しているのだから。
近かったので有楽町駅前のマリオンの1階にある現在の〈日劇〉の映画館に向かいました。
なるほど!
1980年代からマリオンで営業を続けていた東宝系の映画館が、日比谷の東京宝塚劇場近くにオープンする新しいビルに移動するため、ついに〈日劇〉の名前が消えるのですね。
そのさよならイベントには、東宝映画の名作のタイトルがズラリならんでおり、日替わりゲストのコーナーとかもある。2月4日の千秋楽の映画はやはり初代『ゴジラ』、ゲストが宝田明氏。
〈85年の歴史に幕〉みたいな見出しでNHKテレビの朝のニュースに取り上げられる事が興味深い。私よりもはるかに若い男女のアナウンサーが日劇の歴史を語れるはずもなく、苦労していて可哀想でした。何となくミッキー・カーチス氏や平尾昌晃氏などのロカビリー野郎たちが活躍したウエスタン・カーニバルの話題とかで引っ張ってましたが。
日劇と言えば宝塚、SKDと並ぶ日劇ダンシング・チーム(1936年設立)の存在を忘れる訳にはゆきません。貴重な舞台や楽屋映像が流され、これは嬉しかったです。
日劇ダンシング・チームのトップダンサーとして活躍し、“マツケンサンバ2”の振り付けでも有名な日劇OB真島茂樹さんのコメントが良かったけれども、多分心の中では私みたいに「何か違くない?」と感じていたに違いありません。
そのニュースで古い戦前の日劇の白黒写真が何枚も登場した中にチャップリン映画公開の大きな垂れ幕がありました。今回のさよならイベントにはどうしてチャップリン映画が無いのでしょうか?確か本物の日劇のさよならイベントでは、チャップリン映画の上映があったのに。版権の問題があるのかな?
私は日劇の舞台や日劇ダンシング・チームを全く観てませんので、どちらかと言うと地下に併設していた日劇文化劇場というミニ・アート・シアターで観たオーソン・ウェルズ監督の『上海から来た女』や『市民ケーン』の事や、映画を観る前に日劇の外側、ちょうど数寄屋橋方向にあった小さなスタンド席のカレー屋さんの方が懐かしいです。
子供の頃、東海道新幹線に乗って関西方面から帰ってくる時に、日劇の丸い建物が見えてくると「あっ、東京に帰って来たんだな」という気分になれたものです。そんな象徴的な存在なのです。
〈日劇〉という名称云々よりも、かつて日劇の建物が存在した場所にマリオンの建物があり、同じ様なドーム型の丸い建物が存在する事に価値を見いだします。
新しいスタイルであっても残り続ければその事の方が素晴らしい、と思うのです。
どちらにせよ、日本のエンターテインメントの歴史に多大な貢献をしてきた日劇に永年ご苦労様でした、と言いたいですね。
天野 俊哉
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