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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.139 気になるDVD:女優として一流だったタップダンサー
〜ジンジャー・ロジャース主演「少佐と少女」〜
日本のタップ界にも、冨田かおる先生のような「女優顔まけ」のタップダンサーがいることはすごい財産だと思います。
ハリウッド・ミュージカル全盛期、意外にも少ないのが演技のできる女性タップ・ダンサーの存在でした。ルービー・キラーも、エレノア・パウエルも、アン・ミラーもタップは素晴らしいのに、表情がワン・パターンで棒読みのセリフ、そして何より魅力の無いのがラブシーンでした。
そんな中、歌わず踊らずとも良い作品をたくさん残したのがジンジャー・ロジャース。長らくフレッド・アステアの相手役として活躍していた時代にも、大女優キャサリン・ヘプバーンと「ステージ・ドア」(1937)で競演するなど意欲的でした。そのキャサリン・ヘプバーンやベティ・デイビスなど当時の演技派女優をやぶり、1940年「恋愛手帖」でジンジャーはアカデミー主演女優賞を受賞してしまいます。
今回取り上げるのはそんな彼女が全盛期に主演、彼女自身最も気にいっているという「少佐と少女」です。「お熱いのがお好き」の名監督ビリー・ワイルダーのデビュー作としても有名です。内容についてあまり語れないのですが、ジンジャーが11歳の少女に化けて騒動を起こすストーリー展開が最高です。子どもに見えるのかどうかは別として、とにかく笑えます。ミュージカルではありませんが、アカペラでタップやジルバを踊るあたりはさすがに魅力的です。
「少佐と少女」は、1955年当時人気絶頂だったコメディ・チーム、ディーン・マーティン&ジェリー・ルイス主演で「お若いデス」として再映画化されました。こちらでは身長186cmのジェリーが11歳の少年に化けました。先日、松本晋一さんからこの「お若いデス」の貴重なビデオをいただいて再見したところ、やっぱり子どもには見えませんでした。1942年「少佐と少女」で10歳のジンジャーのルームメイト役だったダイアナ・リンという女優さんが、1955年「お若いデス」では立派に成長したヒロインを演じています。「少佐と少女」はジュネス企画よりDVD発売されています。

天野 俊哉






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