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Vol.1388 GTR PRESENTS 〜Hypnotism〜
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GTRとは、《光輝くTAPの創世記》もしくは《TAPが輝く時》を意味するらしい。
タイトルがHypnotism(催眠)というあたりは、1980年代のロックバンドBOOWYの世界を彷彿とさせますし、頂いたチラシの独創性から、どの様な空間が拡がるのだろうか?と神秘的なものを期待しました。チラシ表面のダンサー達はまるでギリシャ神話に登場する人物の様な衣服に身を包み、実は彼らの持つオリジナリティを全て消去してしまっているのが面白い。チラシ裏面では赤のワンポイントもさることながら、一人一人の衣裳、小物、そしてポーズが良く計算されていて素晴らしい。まず1枚のチラシに相当なお金と時間をかけたこのグループの前向きな姿勢に拍手をおくりたいです。
タップ・ダンサーRIKIYA氏が、中堅のタップ・ダンサー仲間に声をかけ、創りあげた公演。彼と奥様のAkkinさんの2人3脚での頑張りで実現出来たものでもあります。才能のあるお二人なので何時かはこの様な企画はあがるだろうな?と予想はしておりましたが、お二人が揃って出演される東京リズム劇場公演の2か月前の開催というのが最大の驚きであります。集まったダンサーは、男性5名女性7名の計12名。
彼らが一体どんな試行錯誤を繰り返して舞台を創りあげるのでしょうか?
12月19日(火)20日(水)の平日3回公演で、私は水曜日の午後の回に伺いました。
場所は東神奈川のかなっくホール。
また寄り道ですか?
いいえ、今回は真面目に着席しましたよ。
開演5分前に。
受付には、今回の公演に出演しないのが残念な位素晴らしいダンサーの長澤仙明さんが、客席にはタップ界を代表する先生方がズラリいらしていました。来年なべ組からNTDに参加する米澤一平さんにも会えました。
会場アナウンスは「ゴミは舞台の想いでと共にお持ち帰り下さい!」とユニークで、もう最高。
RIKIYA兄さんらしく凝ったパンフレットを頂きましたが、今このコラムを移動の電車内で書いている時点では、観たままをコラムにしたいので、プログラム部分しか見ておりません。
まず、演出意図に沿った衣裳が素晴らしい。ターンになびくスカーフやスカートが効果をあげていますし、配色もグリーンとか朱色とかダンサー個人がえらばないであろう色をふんだんに使っています。スーツの衿のワンポイントもお洒落でしたよ。
暗い雰囲気の照明は、JAM TAP DANCE COMPANY公演を意識したのか?サスの使い方がダンサーには気持ちよいと思うし、観客をドキドキさせてくれました。
ホリをあまり使用せず大黒で通す辺りも渋い。
謎のマスクをかけた白い衣裳のRIKIYA兄さんが旅先案内人の様な動きで我々をテーマである催眠の世界に引き込む。兄さんは物凄い量の振付を担当しているせいか?出演場面は少ない。アンサンブル、女性とのアダージオ、スーツの男性の踊り等。しかも絶対にセンターに立たず他の人にセンターを譲る太っ腹。大した人だ。奥様との手つなぎもほんの一瞬でした。残念。
だからリズム劇場の稽古場ではいつも一緒なのね。
タップだけでなくジャズもふんだんに踊らされるのは、若手タップダンサーにとって大切な事ですね。
作品の前半ではナンバーの終わりから次のナンバーへの繋がりがスマートで好きでした。ソフト帽を脱いだ女性の長い髪が乱れるあたりの女性を表に出した演出はわたし好みでした。中盤あたりから演出が男性的で、ややダンス寄りの流れになりましたが、19曲75分を物凄いパワーで引っ張ったタップ・ダンス公演でしたし、出来れば2度3度観て、もっともっと細かく書いてみたい!と思いました。
天野 俊哉
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