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		Vol.1364 名犬ラッシーの世界
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 MGM映画、いやアメリカ映画を代表する大スターである名犬ラッシー(女の子のコリー犬)。 
 ベンジーやベートーベンの大先輩ワンコ・スターにあたります。 
 MGM映画20周年パーティーとか、25周年パーティーには人間の大スターであるクラーク・ゲイブルやフレッド・アステアと並んでランチを食べたり、記念写真に写ったり、凄い待遇でありました。 
 そんなラッシー映画を、私は長いこと1943年に製作された『家路』というラッシー映画しか観ておりませんでした。 
 先日、BookOff要町店で¥500に値崩れしたDVDの中から 
『ラッシーの息子』 
『ラッシーの勇気』 
なる映画を見つけました。 
 MGMから発売されたきちんとした品質の商品でした。 
パッケージ裏の解説を読むと『家路』の続編らしいので、実に半世紀ぶりに『家路』を観直す羽目に。小さなワンコが痛めつけられる場面がイヤでずっと観なかったのですね。 
 
 『家路』はMGMらしいお金をタップリかけた良質の作品で、少年役のロディ・マクドウォールと少女時代のエリザベス・テイラーのコンビが魅力的でした。 
 われらがラッシーは、毎日同じ時刻になると少年を迎えに行ったり、2メートル以上ある金網を飛び越えたり、雷雨の中を駆け巡ったり、もう健気すぎて涙無しには観れません。 
 それにしてもこのあと、どうしてラッシー映画が製作されなかったのか? 
・『家路』にアイデアを使い果たした 
・MGMがディズニー映画と違い動物映画の専門では無かった 
・アメリカが第二次世界大戦に参戦していた 
ことなどが考えられます。 
 
 1945年に公開された続編なる『ラッシーの息子』には先のロディとエリザベスの成長した姿が描かれ、ラッシーも男の子を産んだ!という設定に。ロディ役にピーター・ローフォード、エリザベス役にジューン・ロックハートらMGMの新人コンビがキャスティングされました。ラッシーのラディなる息子は戸塚スタジオの看板犬(?)プリンくんみたいに靴や靴下をかじるのが大好きなワンコ。やがて、志願した主人公ピーターを追って戦場に。間抜け面のピーターとワンコによる敵国ドイツ珍道中。ただし、コメディではありません。 
 
 1946年の『ラッシーの勇気』に至っては、もっとアンビリーバブルな展開に。 
★ラッシーの息子君?であるビルが、ママや兄弟達とはぐれてひとりぼっちに。 
★野生犬としてカラス、熊、鹿などの動物達と生活をする。 
★やがて牧場の娘エリザベス・テイラーに拾われ牧羊犬に。 
★牧羊犬として働いている時に、陸軍のトラックに轢かれエリザベスと別れ別れに。 
★軍用犬として鍛えられ、戦場で日本軍との戦いで大活躍をして勲章を貰うも負傷を。 
★エリザベスの住む故郷近くで軍用列車から逃げ出し脱走犬に。 
★お腹が減ったから鳥を襲って犯罪犬となる。 
★エリザベスと再会するも逮捕され、裁判にかけられる。 
 ビルの運命や如何に? 
 この脚本書いた人にアカデミー賞を挙げたくなりましたよ、わたしは。 
 多分、映画撮影中に終戦を迎え、書き直したのでしょうね。結局、「戦場に於いて心も体も傷ついたのは人間だけではない!ワンコもだ!」みたいな説教くさい映画に落ち着かせてしまいました。 
 
 さすがに戦場やら裁判ではラッシーも可哀想と、評判が悪かったのかも知れませんね。戦後、MGMではさらに2本のラッシー映画 
『故郷の丘』(1948) 
『山荘物語』(1949) 
が製作されましたが、ストーリーを読む限りはほのぼのとした平和な内容です。いずれもMGM売り出し中の子役クロード・ジャーマン・ジュニアや若手俳優ジャネット・リーらがラッシーの相手役になりました。 
 テレビ・シリーズを含め沢山製作された名犬ラッシーものですが、戦火をくぐってきた歴史もあったのですね。 
天野 俊哉 
  
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