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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.136 季節のコラム 2009年晩秋編
「そうだ 京都、行こう」ということで、京都に紅葉を観に行ってきました。新横浜駅のホームに入ってくるのぞみ号の窓に朝日がきらめいて、旅のわくわく感がいっそう膨らみました。お天気にも恵まれて良かった!
ガイドブックにタイムスケジュール付きのおすすめコースが載っていたので、それに沿って先ずは清水寺に向かいました。上り坂を少し進むと、素敵なガラス細工のお店が眼に映りました。二階の工房で手作りされている商品、というか、その出来栄えは作品です。どれも、とっても綺麗。ピアス2個とフットライトを買いました。満足しながら少し進むと、今度は京染めのお店が。舞妓さんの後ろ姿が刺繍された可愛い巾着とハンカチのセットを買いました。「何に使おうかな。レッスン用のMDを入れようかしら」などと思いをめぐらしながら進むと、今度は道の向こうに伝統工芸品のお店が・・・、ちょっと待って。ガイドブックを見ると、一箇所も目的地に辿り着いていないのに、予定より既に一時間以上遅れていました。この時点で、とりあえず時間は気にせずに気ままな旅気分を味わうことにしました。
ほどなくして清水寺に到着。紅葉の向こうに定番の景色、清水の舞台を観て、京都を訪れていることを実感しました。
早くもお腹が空いて、景色を観る集中力がなくなってきたので、昼食をとることにしました。京都といえば、京どうふ、それにおばんざいですね。両方頂くことにしました。湯どうふは、先ずは何も付けずに大豆の甘味を味わいます。なんともきめ細かい舌ざわり。次に、薬味の九条ねぎと合わせてぽん酢で頂きました。最高!おばんざいのやさしい味付けは、食事をゆっくりと楽しませてくれました。
さて、腹ごしらえもできたので再出発!したのも束の間、産寧坂上角の七味屋に引っ掛かってしまい、出された昆布茶と一緒にあれこれとお味見をして、三種類買ってしまいました。「産寧坂で転ぶと三年以内に死ぬ」の言い伝えどおりにならないように、足もとに注意して進むと、今度は時々「似ているね」と言われる、あの顔が。よーじやに引っ掛かってしまいました。全然進みません。まあ、急ぎの旅ではないのでのんびりと。二寧坂、ねねの道を通って八坂神社に。ご存知かもしれませんが、神社仏閣は意外と閉門時間が早いんです。急ぎの旅ではないにしても、一日がかりで清水寺と八坂神社を通り抜けただけ、というのもちょっと。ということで、ガイドブックおすすめコースの中間を一気に省いて、最終目的地の金閣寺に向かうことにしました。結局、おすすめコースで参考にしたのはスタートとゴールだけです。まあ、急ぎの旅ではないので(笑)。路線バスで金閣寺に到着。正式な名称は鹿苑寺 (ろくおんじ)っていうんですね。さすが、きらびやかでした。金色とのコントラストで、きっと四季折々の景色を見せてくれるのでしょう。
日も暮れ始めたので早めにホテルにチェックイン。たくさん歩いたのでお腹もぺこぺこです。鉄板焼きと赤ワインで翌日への英気を養いました。担当してくれた若い女性シェフに“イイこと”を聞いたので、翌日の楽しみがひとつ増えました。
さて二日目です。どうせガイドブックどおりに動けないことが分かったので、本当に気ままに動くことにして、先ずは嵯峨野線に乗って嵐山に向かいました。ここでも定番の景色、嵐山を向こうに桂川に掛かる渡月橋を観ました。次に、実は嵐山で一番観たかった、嵯峨野の竹の道に向かいました。竹の道に一歩踏み入れると、にぎやかな表通りにはない、静寂感がありました。人通りも多いし、人力車やタクシーまで通るので、ガイドブックに載っている写真のような、無人の静けさではありませんでしたが、空に向かって高く伸びた竹からの木漏れ陽や、竹と竹の間から差す陽の光が、なんとも落ち着いた気持ちにしてくれました。
さて次は、ロマンティックトレイン嵯峨野トロッコ列車に乗って、保津峡谷を観ることにしました。さあ、ここで夕べ女性シェフが教えてくれた“イイこと”の実践です。彼女曰く「“知る人ぞ知る”なんですけど、もしトロッコ列車に乗るなら、チケットの窓口で『リッチ車両で』と言えば、追加料金なしで“リッチ”に乗れるんですよ」とのこと。確かに知る人ぞ知る情報のようで、窓口近くにもそんな案内やお知らせはありませんでした。ちょっとドキドキしながら「リッチ車両でお願いします」と告げると、「(おっ!お客さん、知っているわね)」なんて反応は一切なく、こちらに目線すら向けずにササッと捌かれました。なにはともあれ、リッチチケットをゲットできたし、発車時刻まで近くを食べ歩くことにしました。豚まんとジェラートを買ったら、ジェラートのスプーンが八つ橋でした。さすが、京都です。
さて、発車時刻が近づいてきたので並ぶことに。ところでリッチ車両ってなんだろう?ってことに、やっと気がつきました。シートに白いレースカバーが被されているとか、革張りとか。それともドリンクサービスでもあるのかな。まあ、乗れば分かりますね。
さあ、乗車です。普通車両のお客さんが先に乗車案内されました。いよいよ私たちリッチの乗車です。えっ!こ、これがリッチ車両?それは私の想像を覆すものでした。リッチ車両とは、大自然をより体感できるように窓ガラスを取っ払った超オープン車両のことなのでした。窓ガラスどころか、腰板と床が格子になっていて風通しが抜群!どう見ても普通車両の方が“リッチ”に見えるのですが・・・。しかもコレに30分近く乗るのは今の時期、超寒そう!でも、ここまで来たからには観念して大自然をリッチに楽しむ決意をしました。
紅一色とはいえませんでしたが、それでも保津峡谷は秋の景色を見せてくれました。「世界の車窓から」の気分です。保津川下りを楽しんでいる舟から手が振られます。それに応えて、トロッコ列車からも手が振り返えされます。今度はまるで「いい旅夢気分」のワンシーンのようで、あたたかい気持ちになりました。
列車が終着駅に近づいた頃、今まで景色を解説してくれていたご年配の乗務員さんが「それでは一曲」と、突然“北の宿から”を歌い出しました。乗客の皆さんが「(どうして“北の宿から”なんだろう?)」という表情で顔を見合わせていました。私も「もしかしたら、何かトロッコ列車や保津峡谷に通ずる言葉があるのかも」と歌詞をかみしめましたが何もなかったので、ただののど自慢かと思いました。皆さんが拍手喝采や歓声で応えてくれて、乗務員さんはとっても上機嫌の様子でした。きっと、今日も歌っていることでしょう。後で知ったんですが、都はるみさんが京都のご出身でした。そういうことだったんですね。乗務員さんの郷土愛、といったらちょっと大袈裟かもしれませんが、でも、あの“北の宿から”には少なからずとも、そういう気持ちが込められていた気がします。
終着の亀岡駅から10分程歩いて嵯峨野線の馬堀駅へ。そこから京都に戻り、河原町の錦小路通にバスで向かいました。実は、錦小路通は今回の旅のメインスポットともいうべき場所なのです。ここで食べ歩きと、京食器と包丁を買いたかったのです。食器が好きなので、何か一つと思ったのですが、如何せん、お値段が超張るものばかり。私、食器よく割るんです。包丁も名前を刻んでくれるのですが、こちらも職人モデル並みの値札が。どちらも“一生もの”と思えば、高い買い物ではないのでしょうけど、今回は食べ歩きを楽しむことにしました。錦天満宮を起点に、道幅の狭い通りが数百メートルにわたって真っすぐ続きます。鱧(はも)かつ、韮(にら)まんじゅう、京たこ焼きなどなど、ここでしか味わえないものを堪能しました。老舗の佃煮屋さんでお味見。山椒ちりめんを買いました。ちりめんは小さい程高級なんですね。あったかいご飯に、この山椒ちりめんが散りばめられているところを想像したら、早く帰りたくなりました。まったく、どこまで食いしん坊なんでしょう。でも、カラダが資本なので。
京都駅に着いた頃にはすっかり日が暮れて、クリスマス・イルミネーションが輝いていました。
旅の終わりに、もう一度おばんざいを満喫して、帰路につきました。今度はどこに行って何を食べようかな。
とりとめのない長い食いしん坊コラムにお付き合い頂き、ありがとうございました。

淺野 康子






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