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Vol.1349 ミュージカル映画のDVD BOXついに発売(その2)
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書店で買えるコズミック出版のDVD BOXシリーズ。
ついにミュージカル映画のシリーズ《ミュージカル・パーフェクト・コレクション》が今月から始まるのです。Y'sの皆さんが待ちに待った企画ですね。
それでは、ミュージカル映画初心者向けに各々の作品の楽しみ方を書いてゆきたいと思います。
その2では、ジーン・ケリーと並ぶMGMミュージカルの歌う大スターだったジュディ・ガーランドの作品から。
★『青春一座』(1939)
1930年代のアメリカ映画界で物凄く人気の高かったミッキー・ルーニーが主演のミュージカル。どちらかと言うと、歌って踊って物真似までも器用にこなすミッキー・ルーニーのワンマンショーになりがちですが、可憐なジュディ・ガーランドがそんな彼のアクの強さを押さえ、良い意味で清涼剤になっております。
ミュージカル・ナンバーをバズビー・バークレーという天才振付氏が担当しているのも魅力です。
タップ・ダンスならばミッキー・ルーニーとジュディ・ガーランドが顔を黒く塗って見せる“ミンストレル・ショー”の場面がオススメです。
20年位前にこの“ミンストレル・ショー”からの“アイダ”と“アイム・ジャスト・ワイルド・アバウト・ハリー”のオリジナル音楽を使って『ヴォードビル劇場にて』というタップ・ダンス・ナンバーを私が振付をしました。阿部久志さんをフューチャーしたナンバーで、発表会やシアターアプル時代のNTDで淺野康子さんや押田勝年君達がアンサンブルで踊ってくれました。
★『美人劇場』(1941)
1930年代から続いた豪華絢爛なMGMのレヴュー・ミュージカルとしては最後の作品です。
ジュディ・ガーランドを始めMGMのスターがズラリ顔を揃えた大作なのですが、歌い踊るのはジュディ・ガーランドと男性歌手のトニー・マーティンだけですので今回は他の方々の解説は省略いたします。
トニー・マーティンが歌い、ジュディ・ガーランドら主演女優、大勢の美女が綺麗な衣裳を着て歩くだけの“ユー・ステッピン・アウト・オブ・ア・ドリーム”は、『青春一座』と同じくバズビー・バークレーが担当した豪華なレヴュー場面です。ジュディ・ガーランドのナンバーなら“ミニー・フロム・トリニタッド”が軽快な動きで楽しめます。
また、あまりの豪華さに埋もれてしまいそうですが、アメリカのショー・ビジネスの一時代を築いたヴォードビリアンのアル・シーンが見せるヴォードビル・ナンバー“ミスター・ギャラガー&ミスター・シーン”のちょっぴり枯れた味が私は大好きです。
さて、MGMミュージカルの女王がジュディ・ガーランドなら、20世紀FOXミュージカルの女王はベティ・グレイブルです。1940年代のアメリカで人気の高かったベティ・グレイブル主演作品がこのDVD BOXに含まれています。
★『遥かなるアルゼンチン』(1940)
MGMよりもミュージカルに対する姿勢がラフなFOX映画では、スタッフもキャストもいつも同じ、芸術性は皆無、観客がただ一時を楽しめれは良いという割り切った製作姿勢も大したものです。
ブロンドの健康美人ベティ・グレイブル、ブラジルのド派手なショー・ガールのカルメン・ミランダが歌い踊り、さらにスペシャルティとして登場するフラッシュ・アクトと呼ばれるアクロバットを使ったタップ・ダンスの名手ニコラスブラザーズが華を添えます。ハロルド・ニコラスがアクロバティックな技でステップを踏んでいる時に見せる兄フェイヤード・ニコラスのシャープな手の動きにもご注目下さい。素晴らしいコンビネーションです。振付はニコラス・ブラザーズ自身のはずです。
つづく。
天野 俊哉
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