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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1343 宝塚歌劇月組公演と『三銃士』映画の数々
 残暑酷しい9月上旬、東京宝塚劇場に月組公演を観に行きました。
 若手トップスター珠城りょうさん率いる月組がチャレンジするのが、デュマ原作の名作『三銃士』をベースに、演出家小池修一郎氏が思う存分に創作したアクション・ロマネスク浪漫活劇『All for One〜ダルタニアンと太陽王〜』なる超大作。

 『All for One』は、三銃士の物語に太陽王と呼ばれたルイ14世をユニークに絡めた宝塚らしい展開。
 現在の月組のスター達にピッタリのキャラクターが沢山登場するので、客席はヤンヤの大盛り上がりをみせていました。
 100周年公演の頃はまだまだ感のあった珠城りょうさんですが、今では大した風格で、こうした一本物を立派に引っ張れるのですね。
 当初、トップ娘役の愛希れいかさんの役がルイ14世?というので首を傾げておりましたが、この創作された部分がいかにも宝塚!でした。彼女の全身ゴールドの衣裳のデザインに驚きました。また、ダルタニアンをはじめとする剣士達の衣裳もデニム生地を使っており、私などは斬新だなと、感心しましたが、熱烈なヅカ・ファンの間では賛否両論を巻き起こす辺りかも知れませんね。
 私は長年、こうした14世紀頃の西洋剣術をフェンシングだと思ってましたが、レイピア剣術というイタリア発祥のスタイルだそうで、宝塚歌劇としては珍しく三名もの擬闘スタッフが名を連ねています。とても迫力があり、スリリングな出来に仕上がってました。
 映画でも、舞台でも、今まで沢山の『三銃士』作品が作られてきましたが、月組の魅力的な方々が演じるアラミス・アトス・ポルトスは、各々がダルタニアンに負けずセクシーであったり、個性的であったり、ユニークであったりでしたので私としては大満足。
 さらに、悪役ベルナルドを演じた月城かなとさんが、これでもか!と言わんばかりの悪役で実に痛快でした。
 出来ればもう一度観劇したい、と思わせる作品でした。

 残念ながら、どなたもハリウッドで製作された『三銃士』映画について触れていないので私が観た作品を少しだけ書いておきます。
 映画が音を持たなかったサイレント時代に最初にダルタニアンを演じたのが、ダグラス・フェアバンクス。
 笑顔が魅力的なアクション活劇スターによる『三銃士』は1921年製作。
 ハリウッド映画全盛時代の1939年には、ハンサムなドン・アメチのダルタニアンが、リッツ・ブラザーズというラジオ出身のコメディ・チームと組んだ『三銃士』(日本未公開)がありますが、今回の宝塚版を思わせるコメディ作品でした。
 ダグラス・フェアバンクスの演じたオリジナル版を、テクニカラーでさらにスケール・アッブさせたのが、1948年にMGMで製作されたジーン・ケリー主演の『三銃士』。ダンサー演じるダルタニアンの流れるようなアクションが素敵でした。
 1973年にビートルズ映画で知られるリチャード・レスター監督の『三銃士』もオリジナル版に忠実に製作されました。マイケル・ヨークのダルタニアンは魅力不足だったのですが、彼を取り巻くキャラクターに大スターを揃えたので楽しめました。
 実はもっともっと沢山あるので、別の機会にまたゆっくり取り上げてみたいものです。

天野 俊哉



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