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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.134 元宝塚トップスター大浦みずきさん追悼
まさかこんなに早く大浦さんの追悼文を書くことになるとは思いませんでした。11月14日、53歳の早すぎる死でした。
大浦さんが花組のトップスターだった頃は、「大人っぽい芝居の花組」とか「ダンスの花組」と言われ、人気だけでなく、作品のレベルも高かったのです。「ロマノフの宝石」「キス・ミー・ケイト」「秋...冬への前奏曲」「春の風を君に」「フォーエバー・タカラヅカ」「ジタン・デ・ジタン」「ザ・ゲーム」「ザ・フラッシュ!」など、タイトルが今でもスラスラ出て来るほどです。
大浦さんと言えば、フレッド・アステアのような優雅な身のこなしで知られ、アステアがルシル・ブレマーと踊った「ジークフェルド・フォーリーズ」のナンバーや、アステアとシド・チャリースの「バンド・ワゴン」のナンバーを舞台で再現したものが印象に残っています。オリジナルでは「ザ・フラッシュ!」でリンダ・ヘイバーマン振付のナンバーが代表作でした。二番手時代、「メモアール・ド・パリ」でバーのカウンターや丸テーブルの上で見せた、ジーン・ケリー・スタイルのダンス(ジム・クラーク振付)が私にとっての大浦さんのベスト・ナンバーです。在団中、一度だけ自ら振付をしたことがあり、同期で、現在でも宝塚の専科で活躍している磯野千尋さんとコミカルなダンスを踊っていましたっけ。
1991年に宝塚を退団した後は、タンゴを習得して新しい世界を切り開きました。今から10年ほど前ですが、家城比呂志先生のダンス・スタジオ公演に大浦さんがゲスト出演したことがありました。私の席はかなり天井に近い3階だったのですが、大浦さんが踊って歌う1曲の間に、何度もこちらに目線を送ってくれるのにびっくりしました。かつて東京の宝塚劇場にも3階席がありましたから、そのようなことができたのでしょうね。とても感動しました。大浦さんは今まで4冊以上のエッセイを書いており、それはそれはユニークな内容で、文章を書くのがうまい人だなと感心したものです。
早すぎる死ではありますが、かつて大浦さんが出演した「春の風を君に」というドラマの中のセリフ「人はどれだけ生きたかではなく、どんな風に生きたか...」の言葉のように、価値のある人生だったのではないでしょうか。私はそう信じています。
大浦さんのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉






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