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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1304 Y's発表会へ秒読み開始〜マスクラット・ランブル
 キッド・オリー作曲のディキシーランド・ジャズです。賑やかな演奏のイメージが強いのですが、私が使用するのはダンス音楽のレコードからのものです。
 フジテレビの浅野ゆう子さん主演のバラエティ「素敵なあなた」(1982年)のダンス・コーナーで、浅野さんが牛丸謙先生の振付でタップ・ダンスを踊ったのを見て、この楽しい曲を知りました。

 私が池袋の東武カルチュアスクールの担当になって初めての発表会の時に選んだのが、この“マスクラット・ランブル”でした。今でもクラスに通われている田中秀幸さんと男性がもう一人、そして女性三人でした。
 女性三人の中で、広野さんという熱心な方は、後に佐々木隆子先生のダンサーズ、ブルーチェリーズのメンバーになり、東武カルチュア・スクール日曜日クラスのインストラクターにまでなりましたが、病気のために残念ながら引退してしまいました。
 さて、田中さんと一緒に元気一杯にステップを踏んだもう一人が、モダン阿部さんでした。すでにフレッド阿部(久志)さんがいましたので、金光郁子バレエ・キャラバン出身という彼のダンス・キャリアから私が勝手にモダンと命名しました。背が高くてハンサムなのに、残したエピソードが凄すぎて、今でも昔の仲間の間では笑いを呼ぶダンサーです。
 とにかく稽古が大好き、ハリキリ過ぎて蒲田スタジオの一番左の鏡を最初に割ったのがモダンです(次が天野)。
 お面を被って踊る“カムイ”というナンバーで、隆子先生をセンターに横並びの男性が《手に持ったバチを叩く》振りの稽古で、「どうせなら、教室を真っ暗にして叩く稽古をしましょう!」と暑く語るモダン。隣にいた佐藤昇先生の手にモダンのバチが容赦なく当たりまくった!笑えた。
 今は無き青山円形劇場のリサイタルで、舞台袖にハケてきたモダンと私。同じ衣裳のまま、もう一度舞台に出る段取りなのに、早々と次の衣裳に着替えてしまったモダン。「天野先生、僕ここ出ませんので!」と真剣に語る彼の表情が忘れられない。終演後、演出の高平哲朗先生から「君はあそこの早替え間に合わなかったんだね?」と言われてました。笑えた!
 普通に会社勤めをしながら通っていたモダンですが、少ししてヒグチ・ダンス・スタジオに移り、その流れでジミー・スライドが初めて日本で出演したJAM TAP DANCE COMPANY公演にも出演しました。
 面倒見が良くて誰からも好かれたモダン、今頃どうしているのでしょうか?
 もし、このコラムを読むことなどありましたら、御一報下さいね。

 今年のY's発表会で私が担当する唯一の作品“マスクラット・ランブル”のお笑いエピソードでした。

天野 俊哉



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