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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.130 宝塚歌劇に名作を残した演出家横澤英雄氏追悼
東京では連日満席の宝塚歌劇ですが、相変わらず私達観客を置いてきぼりにした芝居やショーがほとんどです。そんな中、宝塚レヴューの名作を多く残してきた横澤英雄氏が10月13日79歳で亡くなりました。1950年代に演出家デビューしてから1994年まで宝塚で活躍。「ベルバラ」でのみ有名な元理事長で演出家の植田紳爾氏と相性が悪かったのか、早くに歌劇団を離れ、(信じがたいことに)OSKや兵庫県のアマチュア・ミュージカルをひっそり演出されていたようです。詳しいことは知りませんが、さぞ無念だったことでしょう。
宝塚レヴューを創り上げた故白井鐡造氏に師事した筋金入りですが、その伝統を大切にしつつも型破りの新しさを必ず出していました。横澤氏の作品は、同時代に活躍した故小原弘稔氏のレヴューのような絢爛豪華な装置による作品創りとは対照的であったような気がします。例えば、私が初めて観た横澤氏の「ザ・ストーム」(1982年、星組)は、ダンスと衣裳の洪水ではありましたが、記憶に残る装置や背景はありませんでした。「ザ・ゲーム」(1989年、花組)と「ザ・ショーケース」(1990年、花組)のオープニングでは、何とセリだけしか使わず5〜6分をみせてしまうのです。そうかと思うと「ザ・モダーン」(1990年、月組)のオープニングでは、大階段にテーブルや椅子を置いてナイトクラブのセットにしてしまったのには驚きました。「ザ・ショーケース」でもフレンチ・カンカンのナンバーにセットを組まず、大階段を使ってあのカンカンを展開してすごい迫力を出していました。もっともっと多くの作品を残してもらいたかったです。
残念ながら横澤氏の作品は全く市販されていないので、全篇を楽しむには宝塚スカイステージに入るしかないでしょう。現在TVで女優として活躍している真矢みきさんや、後のトップスターとなる人達が大勢出演している宝塚での最後の横澤作品「イッツ・ア・ラブストーリー」(1993年、花組)は、もしかしたらDVD化されるかもしれませんね。横澤氏のご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉






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