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Vol.1265 (祝)生誕100年記念ダニエル・ダリュー〜フランス映画界の美人女優
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1917年5月1日生まれのフランス映画の美人女優ダニエル・ダリューが生誕100年のお誕生日を迎えました。
アメリカ映画界のカーク・ダグラスに次いで生誕100年を迎えたことは喜ばしいのですが、実はわたくしダニエル・ダリューの映画をほとんど観ておりません。
「それで生誕100年記念コラムかい?」と皆様のぶちギレたお顔が目に浮かびますが、おめでたい事ですのでお許しを。
この方、本名をダニエル・イボンヌ・マリー・アントワネット・ダリューというそうです。断頭台の露と消えたフランスの女王、マリー・アントワネット様のお名前をも持ち合わせております。
代表作が、シャルル・ボワイエと主演した「うたかたの恋」、ジェラール・フィリップと主演した「赤と黒」。どちらも宝塚歌劇団の舞台は観ているのですが。まあ、いつかは映画を観る機会があることでしょう。
バレエ映画の名作「赤い靴」で有名なアントン・ウォルブルックが狂言回しを演じ、フランス映画界のスター達が競演した「輪舞」“La Ronde”でのダニエル・ダリューは見ていますが、若い男性に言い寄られる社交界の人妻役でした。
また、フランス映画最高のミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」では、カトリーヌ・ドヌーブとフランソワーズ・ドルレアック姉妹の母親役でした。白を基調とした港町のカフェに、白い衣裳ばかりのお客の中で、ダニエル・ダリューだけがピンクのワンピースを着て登場したのが印象的でした。お客と言っても主演グループのジャック・ペランやジョージ・チャキリスら、若いイケメンぞろいでしたね。
彼等が若々しいダニエル・ダリューにモーションをかけなかったのが不思議な位綺麗でした。
初めてこの映画を観た時、当時50代のダニエル・ダリューと年齢の近いジーン・ケリーが恋人同士役かと思いきや、ジーン・ケリーの恋のお相手がはるかに年下のフランソワーズ・ドルレアックだったので衝撃をうけたものです。
今では自分自身がそんな年の差カップルで、デュエット・ダンスしているのですからあきれたものです。
「ロシュフォールの恋人たち」では、ジーン・ケリーをはじめ多くのスター達の歌が吹き替えられてましたが、ダニエル・ダリューは自分の声で歌っております。そう、彼女は歌えるスターだったのですね。
手元に「オリジナル盤による戦前ヨーロッパ映画主題歌集」という1枚のCDがあるのですが、「暁に帰る」という映画の主題歌“アニタの歌”で、17歳のダニエル・ダリューの歌声を聴く事が出来ます。
このコラムを書いている途中で突如思い出したのが、MGMミュージカル映画「Rich Young and Pretty」(1951)でした。そうダニエル・ダリューが出演のパリを舞台にしたミュージカル・コメディ。
中学生の時に、上野アメ横のレコード店で三千いくらかで購入したサントラ・レコードの輸入盤を何回も聴いたものです。残念ながらレコードは実家なので手元にありませんが、押入れの奥のビデオを取り出してきて、お誕生日記念に観てみました。
主演は、MGM映画の若手オペレッタ歌手ジェーン・パウエル、当時の新人フェルナンド・ラマスとヴィック・ダモンを売り出そうとしている作品の様です。
ほとんどハリウッド映画とは縁の無いダニエル・ダリューが、どうして出演したのか分かりませんが、MGM映画が誇るテクニカラーに彼女の美しさがピッタリです。男性ダンサーを引き連れてのミュージカル・ナンバーも素敵でした。ただ、ジェーン・パウエルの母親役というのは少しばかり気の毒だったのと、小柄でほっそりしたルックスが大柄なアメリカ人の中では埋もれてしまう気がしました。
カトリーヌ・ドヌーブ主演の「8人の女たち」以降スクリーンにはあまり登場しておりませんが、お元気にお過ごしとの事です。
今回は、フランス映画界きっての美人女優ダニエル・ダリューを取り上げました。
写真 上から
・ダニエル・ダリュー(Danielle Darrieux)
ワインの産地で有名なフランスボルドー生まれ。現在まで110以上の映画に出演しているフランス古典派美人女優の代表格
・「うたかたの恋」(1936)で悲恋の令嬢マリーを演じ、一躍国際的スターに
・「赤と黒」(1954)などの文芸作品で更に人気を博す
・「ロシュフォールの恋人たち」(1967)で母親イヴォンヌ役を
・「Rich Young and Pretty」ビデオパッケージ
・「8人の女たち」(2002)のマミー役(最前列センター)で歌と踊りを披露して80代でも現役であることを世界中に示し、カトリーヌ・ドヌーヴら7人の共演女優たちと共にベルリン国際映画祭銀熊賞、ヨーロッパ映画賞女優賞を受賞
・愛犬家のDD
天野 俊哉
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