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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1263 「JAM TAP DANCE COMPANY 2017公演」その@
 毎年、日本最高のタップ・ダンサー達を集め、振付師であり演出家の加藤邦保先生が自由自在に料理する  JAM TAP DANCE COMPANY公演「CLOUD 9」。例年よりも少ない9+1名のタップ・ダンサーに、我らが橋爪麻美さんも選ばれ、この素晴らしい公演に名前を連ねました。
 東池袋あうるすぽっとにて4月29日(土)と4月30日(日)の2日間2回公演。
 開演5分前からフレッド・アステアのテレビ・ショーや映画の名場面集が映し出されます。かなりガッツリ見せるあたり、JAMならではの余裕が感じられます。何せそこで踊られている名ナンバーを白川希さんを中心にメンバーの皆さんが完璧にコピーしてしまう実力があるだけでなく、時に現代風に、時に舞台用にアレンジしてしまう創作力をも持ちあわせているのですから。それにしてもテレビショーでの還暦近いアステアの感覚の若さとスピードには驚かされます。
 最後に映し出された黒燕尾服にシルクハット、そしてステッキを持ったフレッド・アステアとジョージ・マーフィがコール・ポーター作詞・作曲の愉快な“Please Don't Monkey with Broadway”を歌うショー場面から、白川希さんとSAROさんによる同ナンバーのタップ・ダンスに。実にスマートな幕開けですね。
 公演の2ベルと映画の台詞までリンクさせていたり流石。今まで気がつかなかったのですが、SAROさんが決闘の振りの後で然り気無くステッキの血をを拭く仕草ってジョージ・マーフィはやってましたっけ?
 白川さんのアステア・ナンバー、茶色のスーツで颯爽と踊る“Bojangles of Harlem”では幕の後ろに白川さんと全く同じ動きを見せる2名のダンサーを従えてのバトル。今まで何回か見たなかで最高の出来だったと思います。そして昨年に続いての白川さんと戸津晃子さんによる“Begin the Beguien”ですが、すっかりエレノア・パウエルのスタイルを習得しきった戸津さんが、白川さんを食いに出る!という熱い展開となりました。ただし、挨拶の段取りが初めてのデートみたいで笑った!
 戸津晃子さんはいつの間にかJAM公演のお馴染みになりましたが、東京リズム劇場に参加しはじめてからの前に出ようとする気迫やバックでコーラスで踊る時の雰囲気作りが自然になってきましたね。今回は女性キャストだけで踊る“Jean Nine”でのダンサブルな動きが見事でした。
 戸津晃子さんとWoman in Tapでグループ活動をされている堀田美冴さんも初参加と思えない存在感で、ワイルドな動きや目線の使い方が男性的でもありカッコいいタップ・ダンサーだな?と思いました。その堀田さんをセンターにおいて中川結葵さん茅野春菜さんを従えたトリオで聴かせるアカペラには毎公演驚かされます。ブレークの取り方から戻るタイミングまで初めての顔合わせだなんて、信じられませんね。
 “Bojangles”ナンバーでは白紗幕の後ろなので姿の見えなかったJAMの実力派、中川結葵さん茅野春菜さんをフューチャーしたガーシュインの“Liza”が心地好い。
 加藤邦保先生のどのアンサンブル・ナンバーでも、ポイントとなるスタイリッシュな動きの部分はこの中川さんと茅野さんが抑えていて頼もしい限りです。
 そんなJAM公演では毎年、小柄な体でパワフルに踊る井出典子さんが、今回の9名に選ばれた事は嬉しかったです。とてもシャイな印象の井出さんが背景や男性ダンサーまで従えて彼女のナンバーをやや男っぽく、やや背伸びをしながら演じてお客様を喜ばせていました。
 ゲスト格で出演された三寺郷美さんは、その存在が、笑顔がスターの風格であり、得意のアイリッシュスタイルの脚の動きにも目を奪われました。三寺さんをフューチャーしたエリントンの“Caravan”も華やかでしたが、以前白川さんと組んだアステア&ロジャース・スタイルのデュエット“Pick Yourself Up”なども是非見せて頂きたかったです。
 つづく。

天野 俊哉




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