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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1262 私は映画「ラ・ラ・ランド」をこう見ました!
 NTD2017の前日、夏日の木曜日、池袋西口公園での青空古本市では熱中症になるのを恐れて映画館に飛び込みました。
 「ラ・ラ・ランド」です。
 私は、映画鑑賞後パンフレットもCDも購入しませんでしたので、映画をご覧になって感動された皆さんはここから先はお読みにならない事ですね。
 すみません!

 地元錦糸町駅前の楽天地シネマ、毎年「クレヨンしんちゃん」の新作を観に行く劇場です。この劇場でこんな大人っぽい映画を観るのは、ロバート・レッドフォードとブラッド・ピット競演の「スパイ・ゲーム」以来かも。
 映画館で困るのが、本編が始まるまでの予告編が面白いこと。
「恋するシロクマ」
 アニメね。アザラシがシロクマに愛を告白されている。アザラシのセリフ「僕はオスで、君もオスじゃないか?」。
 ぜひ、この先が観たい!
「美女と野獣」
 実写ですね。うちらが「東京リズム劇場」で演じたやつです。倉形裕代先生が歌っていた曲が流れていました。
「TAP」
 もうすぐですね♪
 タップを踏む靴しか出てこなかったのが心配。
 でも、大きな映画館で、大勢の観客にタップ・ダンスを見てもらえる効果は絶大。

 さて「ラ・ラ・ランド」ですが、製作のマーク・プラットさんて、同姓同名のバレエ・ダンサーの方がいるのですが、その方とは別人でしょうかね?もう100歳を越えているのでありえないか。
 話題のミュージカル映画ですが、ドラマの部分が「アニー・ホール」にとても似ているな、と思いながら観ていました。40年前にウディ・アレン監督が作ったアカデミー賞受賞作品です。舞台がNYとLAの違いはあるものの、メインの出演者が二人で、その恋人同士が映画やジャズのうんちくを討論する場面や、映画を観た方ほとんどが話題にする5年後はこうなった!というホロ苦いラストとかが。
 確かに良いミュージカル・ナンバーもありました。オープニングのハイウェイの場面は、勢いもありワクワクしましたが、アイデアも予算も使い果たしたのか?後が続かずにここで終わってしまった様な印象を受けました。ラストにエマ・ストーンの空想で出てくるミュージカル・ナンバーこそ「パリのアメリカ人」のバレエ場面を真似ての構成でしたね。
 この映画の監督の特徴のひとつが《モンタージュ場面の上手さ》でした。CMディレクター出身なのでしょうか?どんな世界にいた人か知りませんが、ラストの空想のミュージカル・ナンバーもそうでしたが、特にイキイキしていたのが《Summer》の場面で、音楽に合わせ主演カップルが様々なデート・シーンを、セットや衣裳を次々と替えて展開するのですが、これはハリウッド映画時代の産物なのです。撮影に時間とお金がかかるのですね。ジャズの演奏場面もここらが一番好きでした。
 逆に、残念だったのが夜の公園のデュエットで、始まりのベンチの振付センスが良かったのに携帯の着信音で邪魔されて終わってしまう。さらに、映画館で手を握って、ここでキス!という時にフィルムが燃え出す。彼等が観ていた映画「理由なき反抗」に登場したグリフィス天文台に移動する為の段取りが見えてしまいました。せっかくのラブシーンが、ドラマとしてテンポが悪くて間延びしているのでは。
 〜最後に《テンポの良い展開》が空想の場面で出てきたのには唖然としました〜

 エマ・ストーンが上手い女優さんなのでとても面白かったのですが、やたらアップが多くて、監督が彼女に惚れているか?どうしてもオスカーを受賞させたかった?どちらからデスネ。最後の、オーディションでセーヌ河に飛び込んだおばあさんの事を歌うエマ・ストーンはオスカー受賞を決定づけた名場面だと思います。また、プールサイドで小編成バンドに「アイランの演奏をして」と、リクエストして乗りまくる場面は笑えました!
 私は男性なので、男優にはまるで魅力を感じませんでしたが、気乗りしないクリスマス・ソングのピアノ演奏場面での支配人とのやり取り、ロックかソウル曲を演奏させられてる時の表情に哀愁というか味がありました。また、彼のこだわりを理解しない恋人に「これはホーギー・カーマイケルが座った椅子だから座るな!」と説教するあたり、オタク系男子の一面がよく出ていましたね。

 この作品「ラ・ラ・ランド」を普段映画を観ない方々が映画館に足を運ぶのは良いことですね。タップ・ダンスも然り気無く出てきましたし、私の通うクラスでも大勢の皆さんが話題にされている。こんなこと何十年ぶりかな?と思いました。

追記
★LAを見下ろせるグリフィス天文台やハリウッドの裏通りが懐かしかったです。
 実はハリウッド大通りの名画座でフィルムが燃えるというまさかの経験もしております。その映画館は24時間上映し続けるXXX映画館でした。「理由なき反抗」を上映するような映画館でフィルムが燃えるなんて事はまずありませんね。
★浅草のライブ・ハウスに伝説のジャズ・ピアニストのサー・チャールズ・トンプソンが出演した時、リクエスト・タイムにまさかの映画音楽“慕情”をリクエストされて大いにくさってました。「ラ・ラ・ランド」の男優さんを見ながら思い出してしまいました。

天野 俊哉




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