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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1228 宝塚歌劇月組公演「レヴューロマン/カルーセル輪舞曲」
 「グランド・ホテル」でトミー・チューンの演出を堪能した後は、稲葉太地作・演出のレヴューロマン「カルーセル輪舞曲」。
 日本初のレヴュー「モン・パリ」誕生90周年というサブタイトルが付きます。
 戦前の「モン・パリ」ですか。やはり100周年の時、「花詩集」みたいな古めかしいタイトルのレヴューがあり、大いに疑いを持って観劇いたしました。ところがどうでしょう!上手いですね、今の若手演出家の先生方は。パリから始まりニューヨーク、メキシコ、ブラジル、エジプト、インド洋など世界中を旅して最後は日本の宝塚に到達するオーソドックスな構成にはなっていまが、変にレトロな部分をなくして現代的なセンスで見せまくるのが嬉しいです。ダンスの振付にカポエイラが登場したりします。
 ひとつだけ「モン・パリ」の有名な汽車のラインダンスの場面だけは再現していましたが。

 今回の新生月組の最初のレヴューの、大切な幕開きの場面に登場したのが、花組から専科に移った華形ひかるさんですが、これが良かったのか?旅先案内人役という要なのだからもう少し歌える人を持ってくるべきだったのではないでしょうか。
 オープニングでは“まわーる、まわーる、カルーセル”という覚えやすい心地好い歌なのに、珠城りょうさんをはじめ主要キャストに歌の上手い人がいないのは残念。皆さんビジュアル的には被らず、バランスが取れているのに、歌だけは今後の課題では。
 かつての安蘭けいさんや春野寿美礼さんがいた時代は、どんなに退屈な場面であっても、彼女達が歌い出せば全てが解決してしまったものです。
 さらに、珠城りょうさんが若いせいで、相手役のトップ娘役の愛希れいかさん自身が引っぱらなければならない場面が増えました。ニューヨークの場面、ガーシュインの“Slap that Bass”を長々と歌う事で、彼女お得意のダンスを止める事になっていました。
 どうしてカポエイラの場面に出さなかったのか?彼女向きの場面だったのに残念。とは言え、歌と関係の無いダンスの場面は安心して観ていられましたよ。

 肩幅がありスーツ姿が様になる頼もしいトップスター珠城りょうさんと新生月組の今後に期待しております。

天野 俊哉




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