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Vol.1205 生誕100年ルシル・ブレマー〜MGMミュージカルの踊る女神(後編)
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MGMミュージカルが永遠に輝き続ける事が出来るのは、単にスクリーンに映し出されるスターの力だけではありません。才能あるプロデューサー、ディレクター、音楽スタッフ、技術そして美術スタッフetc.が立派な仕事をしてきたからです。
MGMでのルシル・ブレマーの不幸の始まりがフレッド・アステアとの「ヨランダと泥棒」で演じたヨランダであることは有名です。
ただ、1945年当時のアメリカの映画観客がハリウッド製のお伽噺にそっぽを向いただけの話であって、私などは何度も繰り返し観るほど大好きな作品なのです。詐欺師を演じたアステアは名演技でしたが、演技に弱いルシルには大役すぎたとは思います。先の「ジーグフェルド・フォーリーズ」を思わせる夢のダンスも素晴らしいけど、パーティで踊るカジュアルな服装での“Coffee Time”でのデュエットも忘れ難い。
全編MGMスタジオで撮影された美しいテクニカラー作品なので、いつの日か大きなスクリーンでこの「ヨランダと泥棒」を観てみたい!
右の写真は白川希さんから頂いた彼お手製「ヨランダと泥棒」DVDです。DVDのラベルとダンスシーンのフロアのデザインがマッチしていて秀逸ですね。
この後、まだまだスターとしての格付けは維持しながらも大作「Till the Clouds Roll By」では、ジュディ・ガーランドにショーでの大切な場面を取られてしまうという、当時の彼女のキャリアそのものを演じる事に。ただ、そのお陰でMGMの若手スターだったヴァン・ジョンソンと名曲“I Won't Dance”で世にも楽しいデュエットダンスを踊る事が出来ました。
これを最後にMGMから小さな映画会社に引っ越し、全く踊らない4本の作品に主演しました。
1948年に、ルシルが最後に主演した「Behind Locked Door」だけは観ました。白黒画面の暗い犯罪映画でしたが、意外にも女性探偵役がピッタリでした。誰とも争わずに仕事が出来て、居心地が良かったのかも知れませんね。
この頃、どこかの国の大金持ちに見初められ、結婚と同時に引退したそうです。
おわり。
天野 俊哉
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