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Vol.1182 宝塚歌劇雪組公演
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今年最後の宝塚歌劇は、先日惜しくも退団発表をした早霧せいなさん咲妃みゆさん率いる雪組公演。
ダンスが得意な早霧さんと優れた女優である咲妃さんのコンビは「ルパン三世」に始まり「るろうに剣心」や「ローマの休日」を経て来年「幕末太陽傳」に終わるという位、有名な題材ばかりでオリジナルが殆んどなかった!
今回は、写真の通りお洒落な雰囲気のオリジナル作品で、主演二人の退団発表が無くても充分に集客出来る内容です。一般人である私は、ファンクラブの方からチケット1枚をやっと用意して頂きました。
正塚晴彦演出「私立探偵ケイレブ・ハント」
実を言うと、正塚作品は宝塚大劇場に併設されている宝塚バウホールとか、今はなき日本青年館の舞台サイズが丁度良く、大きな劇場サイズの芝居には多少不安が残ったのですが・・・。
今回の探偵ものは1950年代のLAを舞台にしており、ミュージカル映画「バンド・ワゴン」の劇中劇でフレッド・アステアが魅せたミッキー・スピレーンの世界を思わせる作風。早霧さんのスーツの上着は腕の部分だけがレザーという凝ったデザイン。他の男役の皆さんのスーツの衣裳もまた格好良い。また、さりげなく入るダンス・ナンバーもハードボイルドなムードを醸し出しておりました。
主演お二人のデート場面でのさりげない会話が魅力的、また凄い悪党のボスを演じた若手の月城かなとさんの演技に釘付けでした。
ただ惜しいのは80名近くいるキャストの出番が殆んど無いことでした。やはり正塚作品はそこが問題だ!
稲葉太地演出「ショーグルーヴ/Greatest HITS!」
早霧さんが退団発表をした事で、雪組は3番手以下の男役スターの格付けがはっきりしました。
その中で特に際立っていたのが2番手の望海風斗さんで、“第九”を使った素晴らしい場面がありました。
振付スタッフは
KAZUMI-BOY
桜木凉介の男性2名と、
御織ゆみ乃
若央りさの女性2名で、
10場面に合わせ相応しい振付師をそれぞれ配置しました。これは、宝塚では非常に珍しい事ですね。
よく知られた名曲や歌曲をズラリ並べたので、新曲である主題歌が負けてしまった様です。
殆んど期待しなかったクリスマスの景も素敵でした。
フィナーレの大階段前のトップ・コンビと2番手の望海さんの3人が踊る場面が何故か懐かしかった。最近、こうしたオーソドックスなキャスティングをしなくなりましたからね。稲葉先生は、宝塚ファンの心を掴むのもうまい人だ。
そんな絶好調の稲葉先生ですが、次回作は1月から大劇場で上演される「カルーセル輪舞曲」。才能ある稲葉先生ですが、少しばかり出番が早すぎるような気がします。宝塚のショー演出家も10名位はいるわけだから、もう少しローテーションのバランスを取ればよいのにと思うのですがね。
この「カルーセル輪舞曲」は、2017年1月3日(火)16時30分よりNHK BSにてテレビ放送されます。
普段、宝塚歌劇に触れる事の無い皆様には良いチャンスでは?
オススメいたします。
天野 俊哉
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