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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.118 マイケル・ジャクソン追悼
6月26日、マイケンル・ジャクソンが50歳の若さで亡くなりました。私はマイケルをリアル・タイムで観てきた世代ですが、ディープなファンではないので、アーティストとしての彼のキャリアを良く知りませんでした。生徒さんの中には、来日するたびにコンサートに通ったという熱心なファンが多くてびっくりしています。僭越ながら、知識の少ない私なりにマイケルを追悼してみたいと思います。
まずびっくりしたのが、日本で出版された本の少なさです。「マイケル・ジャクソン裁判」というスキャンダル本はどこに行ってもあるのに、例えばキャリアをまとめたディスコグラフィーが存在しません。かなりの店をまわり、私のようなオタク人間しか入らない町の古本屋で、マイケルの自伝「MOON WALK」と、彼の姉ラトーヤが家族の確執を書いた暴露本「インサイド・ザ・ジャクソン・ファミリー」をやっと入手しました。どちらも20年も前に出版されたものです。

〜タップの神様フレッド・アステアに捧げられた自伝〜
1988年に出版された自伝は、「スリラー」で大ヒットを飛ばし成功した若者(当時20代後半)とは思えないほど、やさしさと謙虚さがにじみ出た内容でした。特にフレッド・アステアへの尊敬の気持ちが長く語られていて感動しました。アステアはその全盛期から常に新しいものを取り上げ自分のスタイルにした人。そんなアステアがテレビでマイケルの「ビリー・ジーン」のソロ・パフォーマンスを観て、わざわざマイケルに電話をかけ絶賛したことが書かれていました。よほど嬉しかったのでしょう。マイケルが主演した映画「ムーン・ウォーカー」や、ショートフィルム「スムーズ・クリミナル」など、アステアへのオマージュとも言える作品も数多く残しています。

  〜マイケルのタップが観られる〜
ジャクソンファイブ時代に、テレビやステージで兄弟達とタップダンスを踊っていたマイケル。「スリラー」のジョン・ランディス監督が演出したマイケルのショートフィルム、「ブラック・オア・ホワイト」で彼のタップがじっくり楽しめます。アステアが「青空に踊る」(1943)のバー・カウンターの上で踏んだステップを、マイケルが踏んでいます。この2つのナンバーは“怒り”を踊りで表現しているあたりが共通しています。

〜人の心をつかむやさしい歌声と強いメッセージ〜
「スリラー」や「ビート・イット」など、抜群のダンス・テクニックのイメージが強いマイケルですが、「ヒール・ザ・ワールド」をはじめとする曲では、メロディーとともに歌声がとてもやさしくてすばらしいと思いました。
また、彼が作った歌の歌詞には、自然破壊、戦争、飢餓、差別などへのメッセージが数多く込められています。これらの歌のショートフィルムを観ると、今人間は何をしなければならないのか、色々と考えさせられます。生きている時は、スキャンダラスな話題ばかりが取り上げられることの多かったマイケルですが、この死をきっかけにアーティストとしてのマイケル・ジャクソンがどれだけ素晴らしかったのかが、もっともっと再評価されることを望みます。
マイケルのご冥福を謹んでお祈りいたします。

天野 俊哉






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