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Vol.1173 年末年始はハワード・ホークス監督特集A
 渋谷の名画座シネマヴェーラの年末年始プログラムは「ハワード・ホークス監督特集」。西部劇、戦争映画、サスペンスから、ミュージカル、コメディまで何でもこなす万能監督であるホークス監督。
 私の記憶では、過去にハワード・ホークス監督特集を行ったのは京橋の国立フィルム・センターでした。もちろん規模も何も違いますが、個人経営の映画館であるシネマヴェーラがここまでアメリカの監督特集を組むのは素晴らしい!
 ホークス監督と同じ時代に活躍したジョージ・キューカー監督の関連書が発売された時は、キューカー監督特集が組まれました。
 瀬川昌久先生が新刊を出版された時は、ミュージカル映画特集が組まれたりしました。
 今回も、山田宏一氏のホークス監督の関連書なんかが出版されたら良いのに。
 クリスマス・イヴの24日スタートの第二週目。

★12月24日(土)から12月30日(金)までの上映作品
 さて、ビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラケットの素晴らしい脚本をホークス監督が映像化した作品の二本立て。
 まず「教授と美女」は、ゲイリー・クーパーが教授を、バーバラ・スタンウィックが美女を演じ名作になりました。スイング・ジャズ時代の有名なドラム奏者ジーン・クルーパの楽団をバックにバーバラが“Drum Boogie”を歌う場面もありますが、ミュージカル映画ではありません。
 同じ脚本を基にダニー・ケイが教授を、ヴァージニア・メイヨが美女を演じた「ヒット・パレード」はお世辞にも面白い、とは言えません。ベニー・グッドマン、トミー・ドーシー、ルイ・アームストロング等有名なミュージシャンの競演だけが売りの作品。
 次は、ギャング役で知られるエドワード・G・ロビンソン主演の二本立て。
 海洋映画の「虎鮫」と西部劇に近い「バーバリー・コースト」。私はロビンソンが好きですし、ウォルター・ブレナン(右端の眼帯をした老け役)なんて名脇役が出演している嬉しい作品なのですが、そんな部分に興味のない映画ファンにとっては魅力の無い二本立てかも?
 最後の二本立ては、戦争映画の「暁の偵察」と「永遠の戦場」ですが、私でも首をかしげてしまうほど、キャストに特徴がありません。ただ、ワーナーやフォックス等大手の映画会社とホークス監督が手を組んだ作品でもありますので、食わず嫌いはいけないかも知れません。
 つづく。

天野 俊哉




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