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Vol.1171 読めそうで読めないエンタメ本「ステージ・ショウの時代」
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エンタメ本なんて書いたらお叱りを受けるに違いありません。
森話社なる出版社から出ている「近代日本演劇の記憶と文化」というシリーズもので、執筆されたのが早稲田大学とか明治大学とかフェリス女学院大学とかの教授みたいな方々。
昨年末に書店で見つけ、パラパラ眺めた後、すぐに購入しました。
¥4800+税。
楽しみにして本棚に立てかけました。
本の内容は、
歌舞伎
宝塚歌劇
東宝
浅草/丸ノ内
国際劇場/日劇
ロンドン
ベルリン
アメリカ
台湾etc.
堂々の394ページ。
ところが、ところがですねぇ、あれから一年経ちますが、読み始めてもすぐに飽きてしまうのですね。スタイルを変えて、興味深い章だけを読んだり、後ろから読んだり(嘘です!)するのですが。
なぜなの?
世界のステージ・ショウを取り上げているので大好きな分野だし、知らない事も沢山記載されているので、ためにもなります。
ただ、読んでいると勉強させられているみたいで。
要するに書いた方々やその文章がお堅いのでしょうね。
「この中からどんな問題が出されるのかな?」みたいな錯覚を起してしまうのです。
大学に5年通った罪悪感が今またよみがえる!って言うか。
でも違うな!
今年平凡社から出版された重木昭信さんの「ミュージカル映画事典」もミュージカル映画の歴史であり資料であり、実はとてもお堅い内容の本なのです。でも、ミュージカル映画が大好きな重木さんがニヤニヤしながら「ツマンナイ映画だなあ〜これ」と思いながら何百回作品も観賞してきてる訳です。そんなユニークな部分が文章に見え隠れしてるのです。
また、グラフィック社から出版された松本晋一さんの「ロープウェイ探訪」も全国ロープウェイのガイドブックであり資料であり、実はとてもお堅い本なのです。でもその紹介されている文章にロープウェイ愛がタップリ、ついついハートマークがチカチカ見えてしてしまうのです。
話が飛びました!
まあ、良い。
執筆された方々だって舞台が、ミュージカルが好きだから書いたに違いないのに、心の何処かに崩せないプライドがあったのでしょう。
それでも、私がこれは流石だ!と感じたのは、やはりプライドを忘れた部分でした。
〈第9章国際劇場と日劇〉の最後にある「映画のなかの日劇と国際」では、教授先生の立場を離れて、映画を追いかける一映画ファンの姿が見えてしまいました。
この人となら話せそうな気がする!
逆に、アメリカのレヴューの章で「ジョージ・ホワイトのスキャンダルズ」を書いた方の「映画版の入手不可能」は努力が足りません。「アール・キャロルのヴァニティーズ」も含めアメリカのマニアから入手可能。重木さん、松本さん、私の3人は持ってます。
今回は「ステージ・ショウの時代」を取り上げました。こうした本は必ず図書館に置かれますので、ショー・ビジネスに関わる皆さんは是非ご一読下さい。
天野 俊哉
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