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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1162 宝塚星組公演を観劇
 星組トップスター北翔海莉さんのサヨナラ公演を観に東京宝塚劇場に行ってきました。
 私が初めて兵庫の宝塚大劇場を訪れた1998年春、その時の公演「エクスカリバー」「シトラスの風」で初舞台を踏んだのが北翔さん達の学年でした。
 初期の頃からショーのフィナーレでは、頭を下げるだけでなく「どうもありがとうございました!」と大きく口をあけて挨拶をする姿が印象的でした。その姿は専科に飛ばされた時も変わらず、卒業する今回も変わらずで、その心意気には感心してしまいました。
 私は宝塚のスターを宝塚卒業後は一切観ない主義なので、しっかりと北翔さんの最後の姿を瞼に焼き付けようと、開場と同時に2階のカフェに。
 なぜ?
 限定スイーツメニューを食べて、お腹をみたし、舞台に集中する為です。
 今回のレヴューのタイトル「ロマンス!」にあやかり「マロンッス!」と命名された美味しいマロンのスイーツでした。
 さて、早く入場した理由はもうひとつ。真新しい緞帳が何とこの回から御目見えとか。清々しいカラーが素敵でした。
 齋藤吉正作・演出「桜華に舞え〜SAMURAI The FINAL〜」は、明治維新の立役者のひとりとなった桐野利秋の生涯を描いた時代もの。来年のNHK大河ドラマで取り上げられる西郷隆盛も登場する骨太な作品。北翔さんは、作品が決まってから鹿児島を訪れ、桐野の生誕の地から墓地までを見て回り、関連書は全て読んだという。桐野を熱く演じた北翔さんと共に、これだけの内容を95分にまとめあげた齋藤氏の演出も見事。
 最近、宝塚歌劇のお陰で日本の歴史や人物にも注目せざるをえなくなってきました。日本タップ界一歴史にうるさい今西康之さんに少しでも近づかなければ!
 岡田敬二作・演出「ロマンティック・レヴュー〜ロマンス!」は音楽の吉崎憲治氏、衣裳の任田幾英氏とタッグを組んだロマンティック・レヴュー・シリーズ。
 近年、岡田氏のレヴューが大劇場公演にかかることは大分減りました。北翔さんの様に歌の上手い方にはピッタリの作品ではありましたが、全体は衣裳の色と同じで、優しくてキレイな、というイメージが先行してしまい、あまり新しさの感じられないレヴューでした。そう、ちょうど北翔さんの初舞台の「シトラスの風」に近かった!
 また、ビートの効いた最初の場面がロックン・ロールというセレクトには参りました。
 ただ、男性振付師ばかりをズラリ並べるだけの演出家と違い、岡田氏はその場面に相応しい方々を持ってきて最大の効果を出しておりました。
 私が劇団の大御所である岡田氏なら、と期待したのが若手スターの発掘でした。近年どの演出家も冒険をしなくなったので、若手が銀矯を渡った時に「あれは誰?」みたいに客席がわいたりする事が無くなったからです。そこも残念ながら型通りのキャスティングでしたね。
 北翔さんを筆頭に次期トップの紅ゆずるさん、礼真琴さん、七海ひろきさんまではわかるのですが、あとの若手は誰が誰だか全く分かりません。若手が自身をアピールするチャンスはスタッフが与えなければならないはず。お客さんを呼べるのはスターなのですから、早く次を育てて下さい。
 宝塚に19年在団した北翔さんも凄いけれども、102年劇団を運営し続けている宝塚歌劇団はもっと凄い。
 世界にたったひとつのレヴュー劇団、これからも大いに期待してます。

天野 俊哉




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