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Vol.115 マイケルの白い顔
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これまで何度もこのコラムで取り上げようとして、途中で筆を置いてしまったことについて、今回書いてみたいと思う。それは<黒人差別>です。
最初に取り上げようとしたのは、サミー・デイビス・ジュニアが亡くなる前に書いた伝記を読んだ時。二度目は、アメリカで最も<差別>の強い、ボルティモアで演説をするオバマ大統領の写真を見た時。そして、6月26日に亡くなったマイケル・ジャクソンのあまりにも白い顔を見た時・・・。
なぜ黒人たちが一流でありたいと思うのか。それは単に「黒く生まれてしまったから」だそうだ。サミーは、その一流の芸で世界のエンターテイナーになった。そんな彼でも入れないホテルがあったそうだ。ゴルフのタイガー・ウッズは、その一流のプレーで世界一のプロゴルファーになった。それでも、プレーできないゴルフコースがあるのだそうだ。そして、一流の歌と踊りで世界のアーティストになったマイケルのした事は、「白人になること」。黒い肌を白くする薬などのせいで、命を落としたのかも知れない。たぶんサミーやタイガー、その他全ての黒人たちが、やれるものならやりたかったことかも知れない。
オバマ大統領は、さらに一流になることで差別に打ち勝とうとしているが、本当に差別を止めさせることができるのは白人なのだと思う。その代表が実は、「ヘア・スプレー」を作ったジョン・ウォルタース監督のような人だ。差別の強いボルティモアで育った彼は、人種も同性愛も差別をするな、というテーマを掲げて「ヘア・スプレー」を作ったのだ。はたして、ブロードウエイやオーチャード・ホールで熱狂している観客のうちどのくらいの人が、このメッセージを理解しているのだろうか・・・。私たち日本人は同じ有色人種でありながら、黒人のような酷い歴史を辿ることなく生きてこられた。感謝しなくてはいけないと思いました。
天野 俊哉
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