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Vol.1149 生誕100年記念ジョージ・シドニー監督〜ミュージカル映画の名作を残す
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「錨を上げて」
「アニーよ銃をとれ」
「ショウ・ボート」
「キス・ミー・ケイト」
「愛情物語」等
ミュージカル映画の名作・秀作を沢山残したジョージ・シドニー監督が生誕100年を迎えます。
私はシドニー監督がメガホンをとった約30作品のほとんどを観ているのですが、作品リストを眺めると俳優出身のシドニー監督が、新人俳優を数多く育てている事に気付きます。
ジーン・ケリー
キャスリン・グレイスン
フランク・シナトラ
ジャネット・リー
ハワード・キール
キム・ノヴァク
アン・マーグレットetc.
また、シドニー監督夫人のリリアン・バーンスもスタジオのダイアローグ・ディレクターとして働いていたので、夫婦揃ってそんな立場だったのかも知れません。
同時代のMGMミュージカルの監督というとヴィンセント・ミネリ、チャールズ・ウォルターズ、スタンリー・ドーネンらが有名ですが、シドニー監督にはそれほど際立った演出が見当たりません。
そこで初期の「Thousands Cheer」「錨を上げて」「The Harvey Girls」を観直してみました。
まあ、どれも長い長い長い。
特に「錨を上げて」の143分ていうのがたまげます。
ただ、おおらかな流れで俳優達を優しく包んでいる様な雰囲気なのですね。これが本当の古き良き時代のMGM映画なのです。だからたいして演技の出来ない歌手のフランク・シナトラも魅力的に撮られているし、ジーン・ケリーのダンス場面もしっかり(過ぎる位)時間をかけています。
シドニー監督の他のミュージカル作品もミュージカル・ナンバーの時間はどれも長いですが、私は大好きです。
余談ですが、ジャネット・リーとディック・ヴァン・ダイクが主演した「バイ・バイ・バーディー」というシドニー監督作品があります。その作品には8分の長いミュージカル・ナンバー“Lot of Livin”があるのですが、そのサウンド・トラック盤(のカラオケ)を使い素晴らしいタップ・ダンス・ナンバーを振付したのが松本晋一さん。
「2014年の東京リズム劇場」では、とても素敵なタップダンス・ナンバーに仕上がっていました。また、冨田かおる先生・森田洋輔君・加藤忠君らの歌もお上手で、映画のパワーにぜんぜん負けていませんでしたね。
シドニー監督は後年「バイ・バイ・バーディー」やエルビス・プレスリー映画の最高傑作「ラスベガス万才」を撮ったのち、「心を繋ぐ6ペンス」を最後に引退しました。私がテレビで「心を繋ぐ6ペンス」を観たのはテレビ東京の映画劇場でしたが、2日間にかけた前・後編での放映でした。最後の最後まで長い長い長いミュージカル映画を撮り続けた訳ですね。
今回はジョージ・シドニー監督を取り上げました。
写真 上から
・パイプがトレードマークのジョージ・シドニー監督
・「世紀の女王」でエスター・ウィリアムズと泳いでいる時もパイプを手放さないシドニー監督
・「キス・ミー・ケート」でハワード・キールと
・「バイ・バイ・バーディー」でディック・ヴァン・ダイクに指示するシドニー監督
・「ラスベガス万才」でアン・マーガレット、エルビス・プレスリーとバイクにまたがるシドニー監督
・「心を繋ぐ6ペンス」で主演のトミー・スティールと
・「心を繋ぐ6ペンス」で最後まで妥協のないシドニー監督
天野 俊哉
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