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Vol.1146 永遠のSweet&Lovely〜グロリア・デ・ヘヴン追悼
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1940年代のMGMミュージカル映画で活躍した女優のグロリア・デ・ヘヴンが7月に亡くなった事を、映画雑誌キネマ旬報で知りました。
グロリアは子役時代に、チャールズ・チャップリンの名作「モダン・タイムス」で映画デビュー。ポーレット・ゴダードの小さな妹役でした。
やがて10代でMGM映画と契約しました。かなり年上のジューン・アリスンとコンビで扱われ、
「Best Foot Forward」
「Thousands Cheer」
「姉妹と水兵」等で共演しました。
特に「姉妹と水兵」でのミュージカル・ナンバーが素敵でした。
やがて、ジョージ・マーフィ主演のミュージカル大作「Broadway Rhythm」や、人気絶頂のフランク・シナトラ主演の「芸人ホテル」でのヒロイン役でスター街道まっしぐらだったのに、どこかで歯車が狂ったようです。
MGM映画でも、貸し出された(MGMよりも格下の)映画会社でも、つまらない役ばかり。私が高校生の時に観たレッド・スケルトン主演の「運ちゃん武勇伝」なんて、全然笑えない白黒コメディ映画のヒロインにはビックリでした。
時たまジュディ・ガーランドとジーン・ケリー主演のミュージカル「サマー・ストック」にキャスティングされたとしても、歌も踊りもない意地の悪い役でした。もう会社から嫌われているとしか思えませんでしたね。
わずかに、フレッド・アステア主演「土曜は貴方に」では、女優で歌手でもある実の母親フローラ・パーカー・デ・ヘヴンを演じ、カルマー&ルビーの名曲“Who's Sorry Now”を歌った時に、何とか面目を保てたようてす。
こう書くといかにも映画女優として不幸だった様ですが、意外にもグロリアさん10代から30代のハリウッド時代を経て、何と70代まで映画やテレビに出演し続けた?しかも、その数80本。
ジュディ・ガーランドの様に、ハリウッドのスタジオ・システムに踏みつぶされずに、90年生き抜いたのは私が思うよりもタフな女性だったのでしょう。おまけに4回も結婚して、4人も子供がいらっしゃる。あの可憐なイメージのグロリアが、遥か彼方に吹き飛んでしまいました。
このコラムを書き終えたらYouTubeをチェックしてみなければ!ハリウッド時代を豪快に語るグロリアさんの映像が見つかるかも知れない。
永遠の“Sweet&Lovely”グロリア・デ・ヘヴンのご冥福をお祈りいたします。
写真 上から
・永遠のSweet&Lovelyグロリア・デ・ヘヴン
父親は映画監督カーター・デ・ヘヴン
・共演が多かったジューン・アリスンと
・「芸人ホテル」でフランク・シナトラと
・「サマー・ストック」の撮影の合間にジーン・ケリーと
・「土曜は貴方に」で“Who's Sorry Now”を歌うグロリア
左後ろにフレッド・アステア
天野 俊哉
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