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Vol.1145 カーティス・ハンソン監督追悼
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映画「L.A.コンフィデンシャル」の脚本で、アカデミー賞脚色賞を受賞したカーティス・ハンソン監督が亡くなりました。
残念ながら、私はハンソン監督作品を、「L.A.コンフィデンシャル」と「ワンダー・ボーイズ」しか観ておりません。
あとは脚本家時代の「サイレント・パートナー」と「ホワイト・ドッグ」だけです。
そう言えば「サイレント・パートナー」には、「サウンド・オブ・ミュージック」のクリストファー・プラマーが主演していましたね。悪役でしたが。
話は戻ります。
ジェームズ・エルロイの犯罪小説を自ら脚色し、監督した「L.A.」は、まさに現代ノワールものの傑作です。また、1930年代のワーナー映画の様に、キビキビとした展開が魅力です。
さらにはガイ・ピアース、ラッセル・クロウ、ケヴィン・スペイシーなんて癖のある俳優達を、実に旨くまとめあげる力量は流石だと思いました。現代の美人女優キム・ベイシンガーを、1940年代のリタ・ヘイワースそっくりに改造してアカデミー賞助演女優賞を獲らせてしまったり、ダニー・デビードなんて個性派名優を脇役に用意したり、役者の使い方もお見事。
同じ脚本家出身でアメリカ映画界の巨匠ビリー・ワイルダー監督が、ハンソン監督の作品に感心して、わざわざ電話をかけてきた、というエピソードまで残っています。
もうひとつの「ワンダー・ボーイズ」でも、マイケル・ダグラス、トビー・マクガイア、ロバート・ダウニー・ジュニアといった凄い俳優達を使って大笑いさせてくれました。マイケル・ダグラスが、何にも書けなくなったベストセラー作家を演じるのですから!
あんまり面白いので、映画好きの友人達にすすめたものです。
カーティス・ハンソン監督が認められたのは、かなり遅くて50代半ば、晩年は体調を崩して映画界からは引退していたそうです。
これを期に、脚本家時代の作品から遺作までを順番にチェックしてみようかな、と思います。
カーティス・ハンソン監督のご冥福をお祈りいたします。
写真 上から
・とても渋いカーティス・ハンソン監督
71年の生涯で監督・脚本・プロデュースになどに関わった作品は公称24本
・「サイレント・パートナー」(1979年)でサンタクロースに扮した強盗役を演じるクリストファー・プラマー
・ガイ・ピアース、ラッセル・クロウ、センターにハンソン監督
・胸元がまぶしいキムに指示するハンソン監督
・ゴシップ誌の記者兼編集責任者を演じるダニー・デビード(左)とケヴィン・スペイシー
・1998年第70回アカデミー賞受賞式で喜ぶ(左から)共著者ブライアン・ヘルゲランド、キム、ハンソン監督
・マイケル・ダグラスに指示するハンソン監督
天野 俊哉
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