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Vol.1122 ミュージカル映画DVD情報「ロッキーの春風」
 第二次大戦中のアメリカで人気の高かったベティ・グレイブルのミュージカル映画がDVD発売されます。
 20世紀FOX映画社の敏腕プロデューサー、ダリル・F・ザナックが仕切っていたベティのミュージカル映画は娯楽映画としては素晴らしかったのですが、どの程度の功績を残したのか?と聞かれると疑問が残ります。
 MGMは言うに及ばず、例えばコロンビア映画社のプロデューサー、ハリー・コーンは、同社のスターであるリタ・ヘイワースの為に他の映画会社から大金をかけてフレッド・アステアやジーン・ケリーを借りてきてミュージカル映画史に残る作品である「カバー・ガール」等を製作しました。
 実力のあるダンサーだったベティは常々ザナックに「私はフレッド・アステアさんと踊りたいの!」と嘆願していましたが、1セントでも安く仕上げたいザナックはFOXが契約しているダンサー兼俳優もしくはダンサー兼振付師等でお茶を濁していました。また、ベティひとりで大ヒットを見込めたのでスタッフからキャストまで同じ様な顔触れで作品を量産しました。
 可哀想なベティ。
「ロッキーの春風」(1942)
 日本でDVD発売される位だから、と期待してしまいますがベティ・グレイブルのミュージカル映画の中ではかなり弱い作品です。
 さて、主要キャストには
(ハンサムな主演俳優)
ジョン・ペイン
(ブラジルの爆弾娘・恋敵役)
カルメン・ミランダ
(恋敵役)
シーザー・ロメロ
(お笑い専門)
シャーロット・グリーンウッド
(お笑い専門)
エドワード・エベレット・ホートン

ら、取り合えずFOXの歌って踊れる契約スターがあつめられました。ザナックはベティのご機嫌を取るためか?当時のアメリカで物凄い人気だったハリー・ジェームスと彼の楽団を特別出演させました。
 ハリーの大ヒット曲“I Had the Craziest Dream”が登場しますが、その演奏場面は記録映画の様に平凡です。
 また、ミュージカル・ナンバーが少なく、いかにも安上がりです。あのド派手なカルメン・ミランダがおとなしくみえるのが残念。
 限られたセットのなかを一桁のスター達が動き回る舞台劇の様な作品です。
 この作品におけるベティの《心のアステア》は体のでかいシーザー・ロメロで
“Run Little Raindrop Run”
“A Poem Set to Music”
“Pan American Jubilee”

の3曲を踊ります。
 ベティとシーザー・ロメロのデュエットが何処となくアステア風なのは振付をアステアの専属振付師だったハーメス・パンが担当しているからでしょうか?
 以上かなりマイナス評価をした天野ですが、あくまでも他のベティ・グレイブル作品と比べての事ですので。
 (ジュネス企画よりDVD発売)

天野 俊哉




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