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Vol.1120 トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男
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このお盆休みに映画「トランボ/ハリウッドに最も嫌われた男」を観ました。
ハリウッドの脚本家ダルトン・トランボの生涯を描いた伝記映画です。
トランボらが共産主義者と差別を受け、ハリウッドから追放された赤狩り事件を知ったのは17才の頃にテレビで「LIFE GOES TO THE MOVIES」という番組を観た時でした。それ以降、何度も赤狩りやトランボに関する書物を読む機会がありましたが何故かパスしてきました。最近ではトランボが名前を出さずに脚本を書いた「ローマの休日」製作60年記念の年に出版されたトランボの評伝を買いましたが、読まずに積み上げてあります。
といった反省をふまえて今回の映画鑑賞となりました。
2時間はある長い作品、しかも政治を扱っているにも関わらずテンポが良く、分かりやすかったのはスタッフにテレビの世界の人が多かった事。あくまでも映画界と家族愛を柱にした構成だった事かな。
エドワード・G・ロビンソン
ジョン・ウエイン
ヘッダ・ホッパー
ルイス・B・メイヤー
サム・ウッド
キング・ブラザーズ
オットー・プレミンジャー
そしてカーク・ダグラス
実在の映画人のソックリさんがズラリ。ロビンソンやダグラスの役者さんはあまり似てないけど雰囲気づくりが絶妙でした。
ハリウッドで物凄い権力を持っていたコラムニストのホッパーを演じたヘレン・ミレンなんて鳥肌が立つほどの名演技。
またアカデミー賞授賞式の映像ではデボラ・カーやジェリー・ルイスが、赤狩りのニュース映像ではリチャード・ニクソン、ロナルド・レーガン、ロバート・テイラー、ハンフリー・ボガートらの本物が登場。
確かテイラーが証言台に立たされたのは戦時中に親ソ映画「Song of Russia」に主演したからでした。ただそれだけで共産主義者扱いだなんて。
アメリカは病んでたのですね。
さて、トランボ役のブライアン・クランストンはタイプライターを自在に扱う1940年代の脚本家を渋く演じました。
また、若いときにジャグリングをカフェで見せていたというトランボ夫人クレオを演じたダイアン・レインは作品の中で、3つのコップを放る芸を披露して見せました。
エンタテインメント作品として年齢性別関係なく観客を引き込めました。
写真 上から
・映画プログラム。原題「TRUMBO」(2015)
・迫害期にはベン・L・ペリー、ロバート・リッチのペンネームで活動。イアン・マクレラン・ハンターの名義を借りたこともあった。トランボの死後、ハンターの原案・脚本とされていた「ローマの休日」が、実はトランボが1953年に執筆したものであったことが判明。同作品でハンターが受賞していたアカデミー原案賞が、執筆から40年後の1993年にあらためてトランボに贈られた。授賞式では妻クレオがオスカーを受け取った
・ヘッダ・ホッパーを演じるヘレン・ミレン。右はホッパー本人
・1947年、妻クレオと共に非米活動委員会の聴聞会に出席するトランボ本人
・映画での聴聞会シーン。証言を拒んだトランボは議会侮辱罪で投獄されてしまう
・入浴しながら執筆に熱中する晩年のトランボ本人
・映画での同シーン。トランボを演じたブライアン・クランストンは本作品で米アカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされた
天野 俊哉
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