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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1097 「ありがとうの小林君」こと小林まさひろさん追悼
 私達の師匠が華やかなタップ・ダンサーだった事から、1980年代には沢山の芸能人の方が弟子入りされていました。
 一流の歌手やタレントさんは師匠のプライベート・レッスンを受けてましたが、それほどでもない方はソッとカルチャー教室等に通われていたようです。
 一度ミーティングで、そういう方が突然見えたら?みたいな議題が上がったことがありました。
 趣味で来てる場合もあるので、私達もクラスの生徒も「騒がずに対応するように!」と、「サインは厳禁よ!」でした。
 それから間もなく、私が新人インストラクターだった1986年頃、蒲田のスタジオに一人の丸ぽちゃ青年が飛び込みでお稽古に。
 私の学生時代にTBSの人気テレビ番組「ぎんざNOW!」に出演していた「ありがとうの小林君」こと小林まさひろさんでした。
 入口を入ってきた瞬間、そこにいた全員が気づいたようでしたが、師匠の教えを守るためコッソリ「自然に接して」と指令を送りました。
 今でも良く覚えているのは物凄く一生懸命で、物凄く明るくて、物凄く汗をかく方だった事です。
 とても楽しまれた様でした。
 レッスン後、小林さんに自然に接した皆の対応が嬉しかった事。また、当時は芸能界ではなく普通の仕事をしていたそうですが、後輩に当たる関根勤さん(当時はラビット関根)や小堺一機さんが格好良くタップ・ダンスを踊っているので、「自分も一度どんなものか?挑戦したかったんです」と、熱く語っていました。
 小林さんには「ぎんざNOW!」素人コメディアン道場のチャンピオンたちで構成されたコメディグループ、ザ・ハンダースなる人気お笑いグループ時代があるようですが、ハリウッド・ミュージカル映画にハマっていた私はその活躍を全く知りません。先にあげた「ぎんざNOW!」もクラスメートが番組の人気コーナー《勝ち抜き腕相撲大会》に参加した時に見ただけです。
 たった一度のご縁でしたが若い頃の事は良く覚えているものですね。
 小林まさひろさんのご冥福をお祈りいたします。

写真 上から
・ザ・ハンダースの名前の由来はメンバーが6人(半ダース)だったから。リーダー格だった小林さん(土台真ん中)は、メンバーの一人が仕事をサボった責任を取って脱退、事務所を解雇された。それでも愚痴を一切こぼさなかったという、男前の小林さん
・脱退後は俳優に転じ、テレビドラマ「ただいま放課後」でたのきんトリオと主役4人を演じた小林さん
・トシちゃんを相手に友達思いの岸本厚三役を熱演する小林さん
・結婚後にふぐ調理師の免許を取得し、芸能界を引退。赤坂でふぐ料理専門店を開店した小林さん
・50歳を過ぎてからボクシングの親父大会に出場し、オヤジファイターとしても活動した小林さん

天野 俊哉




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