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Vol.1073 ハリウッド女性映画特集〜シネマヴェーラ渋谷
 先頃、古いミュージカル映画の連続上映で話題になった渋谷の映画館シネマヴェーラで、女優の才能を引き出す名監督として有名なジョージ・キューカーとその時代の女性映画の話題作が18本上映されます。
 私が映画を観初めてからも、何度かブームになった女性映画というジャンル。
 1970年代はダイアン・キートンやジル・クレイバーグの主演作品、1990年代からはメグ・ライアンやジュリア・ロバーツの主演作品など。監督ではやはりウディ・アレンの存在が大きいように思えます。
 さて、今回上映されるジョージ・キューカー監督の1930年代から40年代の7作品中、私は6作品を観ているのですが、いずれも静かで、まるで舞台を観ているかのようという感想を持ちました。やはり舞台演出出身だからでしょうか。ただ私がこれらを観たのが10代の時でしたので、今観るともっとキューカー監督の良さを理解できるのでは?
 ハリウッド映画史上の大作「風と共に去りぬ」もキューカー監督でクランク・インしたもののたったの18日で解雇されたそうです。製作者が地味な展開を懸念した、というのがその理由だそうです。
 ただキューカー監督が作品を離れてからもスカーレット役のヴィヴィアン・リーとメラニー役のオリヴィア・デ・ハヴィランドの二人は役作りのアドバイスにキューカー監督のもとを訪れていたとか?女優に信頼されていたキューカー監督らしいエピソードですね。
 さて、今回のライン・アップ、キューカー監督作品以外では、エリア・カザン監督みたいに場違いな人もいますがアメリカの2監督とヨーロッパの5監督作品は映画館で鑑賞するにはぴったりですよ。

6月18日(土)〜6月24日(金)
ジョージ・キューカー監督 イングリッド・バーグマン主演
「ガス燈」
ジョージ・キューカー監督 キャサリン・ヘプバーン主演
「アダム氏とマダム」
ジョージ・スティーブンス監督 キャサリン・ヘプバーン主演
「女性No.1」他。
6月25日(土)〜7月1日(金)
ジョージ・キューカー監督 グレタ・ガルボ主演「奥様は顔が二つ」
ジョセフ・L・マンキウィッツ監督 ベティ・デイビス主演「イヴの総て」他。
7月2日(土)〜7月8日(金)
ジョージ・キューカー監督 キャサリン・ヘプバーン主演「フィラデルフィア物語」
ウィリアム・ワイラー監督 オリヴィア・デ・ハヴィランド主演「女相続人」他

 詳しくはシネマヴェーラ渋谷のスケジュールをご覧下さいね。オススメします。
 また、関連するスターのコラム等書けたらな?と思っております。

シネマヴェーラ渋谷 公式サイト http://cinemavera.com/

写真 上から
・ダンディーなジョージ・キューカー監督
アカデミー監督賞に5回ノミネート。5回目のノミネート「マイ・フェア・レディ」(1965)で監督賞を受賞
キューカー監督作に出演した俳優がアカデミー賞にノミネートされたのは21名にもおよぶ
・「フィラデルフィア物語」で熱血演出するキューカー監督
・キャサリン・ヘプバーンと歓談するキューカー監督
・「風と共に去りぬ」の現場でヴィヴィアン・リーとオリヴィア・デ・ハヴィランドを交え歓談するキューカー監督

天野 俊哉




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