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Vol.1062 宝塚歌劇星組公演A「ショー・スペクタキュラー/THE ENTERTAINER」
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ベテラン北翔海莉さん率いる宝塚星組公演「ミュージカル/こうもり」「ショー・スペクタキュラー/THE ENTERTAINER」を観に東京宝塚劇場にいってまいりました。
休憩を挟んでショーの開幕です。
若手演出家野口幸作氏の大劇場デビュー作品。
まず、注目すべきは振付スタッフの顔ぶれで、羽山紀代美氏・麻咲梨乃氏・名倉加代子氏らベテラン女性陣に若手すずかげみゆき氏とKENJI氏。
羽山紀代美氏と名倉加代子氏とは随分思いきったな!とは思いましたが、野口氏の演出意図がしっかり見え嬉しかったです。
かねてから私は男役の振りは女性振付師の方が、また娘役の振りには男性振付師の方が良いと思うことが多かったのですね。
さすが“Granada”“Estrellita”“Temptation”等のラテン・ナンバーでの名倉加代子氏の振付は男役の決めポーズから目線まで付けているのでファンにはこたえられません。
古いヅカファンにはたまらない小原弘稔演出の名作「FLASH」(1991)の華やかなユーロビートで繋いだオープニングを、今回は羽山紀代美氏のオープニング(ゴールドシルバーの衣装)と麻咲梨乃氏の中詰め(黒燕尾服と黒ダルマ燕尾服の衣装)の2ヶ所で再登場させました。
誰がスターなのか分からない現在の星組ではキラキラという訳にはゆきませんでしたが、北翔さんをセリに乗せ、周りを黒燕尾服のダンサー達が囲み、盆を回す大胆なレヴュー演出とラストの北翔さんをセンターにしたダイナミックなラインダンスには感激。大浦みずきさん時代を思い出してしまいました。
麻咲梨乃氏はコミカルな振付が得意の様で「雨に唄えば」の“Broadway Rhythm”を意識した場面が楽しかった。こうした場面はどちらかと言うとヅカ・ファン向けの甘い創りなのですが、サラッと踏んで見せる北翔さんのタップ・ソロが上手くてビックリしましたし、KENJI氏が担当したボブ・フォッシー・スタイルの“Come Dance with Me”での北翔さんと礼真琴さんの帽子の技なども一見の価値がありました。
北翔さんみたいに歌唱力だけでなく、色々な引き出しを持ったトップ・スターも珍しくなりました。今回はピアノを弾く場面もあったり、フィナーレのデュエット・ダンスでは平原綾香さんの“Jupiter”を持ってきたり、まるでサヨナラ公演みたいにも見えますが、あくまでエンタテイナー北翔海莉をフューチャーした星組のショーだったのですね。
残念ながら北翔海莉さんは次回公演を最後に退団。
2番手の紅ゆずるさんの次は宙組からきた七海ひろきさんかと思いきや、フィナーレで羽を背負って大階段を下りてきたのは若手の礼真琴さんでした。
ファンの方々は今後の動向から目がはなせませんね。
2014年のグランド・レヴュー「TAKARAZUKA花詩集100」以来、久々に何度も観てみたいと思えるショーでした。
天野 俊哉
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