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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1059 「銀嶺セレナーデ/オーケストラの妻たち」完全盤サントラCD発売
 たまたま新宿のディスク・ユニオンに向かって歩いてました。こうして足が向いた日は要注意。何かに出会い、衝動買いをしてしまうからです。
 ディスク・ユニオンのビルの入口の壁には今月5月に生まれた音楽家の名前が書いたカレンダーが貼ってあります。
 一通り目を通すと、スイングの王様ベニー・グッドマンが5月30日生まれとか。
 何やらイヤな予感が!
 エレベーターで3階の映画コーナーに。
 そしてまさに的中。
 スイング・ジャズ時代にベニー・グッドマンと人気を二分したグレン・ミラー楽団が出演した2本のミュージカル映画「銀嶺セレナーデ/オーケストラの妻たち」の完全盤サントラCD2枚組が新譜としてお店の入口に飾ってある。
 「銀嶺セレナーデ」は1941年にオリンピック・スケーターのソニア・ヘニーが主演、グレン・ミラー楽団やタップ・ダンスのニコラス・ブラザーズが共演したミュージカルです。
 学生時代にミュージカル映画コレクターの三浦秀一氏の二子玉川のお宅で16oフィルムで観せていただいた想いでの作品。この時は「ミュージカル映画事典」の著者重木昭信氏も御一緒でした。
 レコード時代から何種類ものレコードやCDが発売されその都度購入してきましたが、今回はBGMを含めた完全なサントラ盤なのですね。収録時間は78分。
 映画のオープニングを飾るMainTitleが何パターンもあり、本編ではカットされてしまったミュージカル・ナンバーもたくさん収録されています。さらに、私の大好きな“The Kiss Polka”もFOXスタジオ・オーケストラの演奏で初収録。
 もう買わずにはいられません。
 値段も見ずに当たり前のようにレジに向かいましたが想定外の¥6990という値段でビックリ。
 まあ1000枚の限定生産だから仕方無い。
 家に帰って早速聴いてみると“In the Mood”でのグレン・ミラー楽団のスイング・ジャズ演奏は、トリガー・アルパートのベースの音が渋くてね、後半の有名なブレイクの部分なんか目の前の演奏を聴いてるみたいな臨場感があって、フィルムでもビデオでもDVDでもここまではクリアな音質ではありませんでしたので感激。とても75年前の録音とは思えません。
 また、映像だとあまり意識しないスタジオ・オーケストラのレベルの高い演奏にも集中出来ました。
 逆にセリフや効果音は撮影後にダビングとなるためこのCDには全く収録されていません。当然ながらニコラス・ブラザーズのタップダンスの音もありません。でも何百回も観ているのでタップのサウンドが聴こえてきてしまう!
 やはりこうした本格的なサントラ盤はマニア向けなのでしょうね。
 その後、我が家にある「銀嶺セレナーデ/オーケストラ妻たち」の先輩ビデオ・DVD・CDらと記念撮影。
 翌日からはポータブルデッキで持ち歩き、移動など暇な時間にずっと聴いておりました。高価なCDでもあっという間にもとがとれてしまうのですね。

天野 俊哉




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