|
|
| | |
|
|
|
|
| | |
|
Vol.1054 シャルメーヌ
|
|
先日、加藤邦保先生の公演で白川希さんと戸津晃子さんがデュエットした美しい曲“Charmaine”シャルメーヌの事を少し書きたくなりました。
興味の無い方御免なさい。
★ムード音楽、イージー・リスニングの世界ではマントヴァーニ楽団の演奏で有名ですが、元々はサイレント映画のヒロインのテーマとして書かれたワルツ曲なので、立派な映画音楽と言うわけですね。
★私が最初に聴いたのが1944年のMGMミュージカル映画「姉妹と水兵」が劇場リバイバル上映された時でした。
このコラムで何度も登場しているハリー・ジェームス楽団の演奏。もちろん4拍子のスイングで、1コーラス目がミュートを付けたハリーと4人のトランペッター演奏、2コーラス目が9人のストリングス演奏、ラストコーラスがハリーのトランペット・ソロをフューチャーしたスイートなスイング。MGM映画らしい実に洒落た場面でした。
ハリーはこの曲をレコード録音しませんでしたが、VDISCという兵隊向けのレコードがあります。
マントヴァーニ以前にリバイバルさせたのに、ヒットし損ねたなんてやり手のハリー・ジェームスらしくないですね。
★さらにハリーは1950年代にストリングス・セクションを外した普通のスイング楽団として音楽短篇映画の中で、再び“シャルメーヌ”を演奏しました。ハリーのソロがムーディーで、原曲の魅力を十分に伝えていました。
私が音楽ビデオから録音したこの“シャルメーヌ”を佐々木隆子先生に差し上げたところ、日本橋三越の野外ステージで踊って下さいました。とても嬉しかったです。この演奏を聴くと今でも先生の踊る姿が目に浮かんできます。
YouTubeで《Harry James Charmaine》と検索をするとご覧になれますよ。
★先のサイレント映画が1952年「栄光何するものぞ」のタイトルで、ジョン・フォード監督によって再映画化されました。
兵隊役のジェームズ・キャグニーとダン・デイリーがコリンヌ・カルヴェ扮するフランスの酒場女シャルメーヌを取り合う話でした。曲がシャルメーヌのBGMとして使われていました。ただ、男の世界を描く事が得意なジョン・フォード監督じゃない方がメロディの様にシャルメーヌを美しく活かせた様な気がしたものです。
今回、加藤邦保先生が白川さん戸津さんという美形のカップルをロマンティックに演出。私がイメージしていた“シャルメーヌ”を見る事が出来ました。
おわり。
天野 俊哉
|
|
|
|
|
|
| | |
|
|
|