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Vol.1043 ジェームズ・キャグニー自叙伝
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実家の戸棚からハリウッド映画スターの自叙伝が何冊か出てきたので、今回はそれらについて触れてみたいと思います。
渋谷の映画館でジェームズ・キャグニーの映画「フットライト・パレード」を観た生徒が「ディカプリオに似ている」と凄い表現をした事はコラムに書きましたが、近年渋味を増しスコセッシ監督の社会派ドラマやギャング映画の主役を演じるディカプリオがハリウッド映画史上最大の悪役スターであるキャグニーと比べられる事は実は大変名誉な事かも知れません。40代でアカデミー主演男優賞を受賞したキャリアも似ていますね。
ミュージカル映画での軽やかなタップ・ダンサーとしてよりも、強烈なギャングとしてインパクトを残したキャグニーゆえ、学友の多くはギャグニーと、濁って発音してましたっけ。
キャグニーには「汚れた顔の天使」という自叙伝があり日本でも1976年に発売されました。映画雑誌で情報を得た10代の私は、寒い冬の日に神保町を皮切りにこの本を探し回りました。朝早く家を出たのに、収穫ないまま疲れ果てて帰宅しました。
今でも忘れられないのが私を迎えた父の一言「出版社が倒産したんで入手困難になったらしいよ」とか。
やたら詳しいので聞いてみると、父はこの本を訳した山田宏一さんに直接電話をして聞いたそうだ。しかも電話帳で調べて。山田宏一さんは、当時映画雑誌キネマ旬報にコラムを書いておられた偉い評論家先生だ。何て大胆なことをするんだいお父さん?と呆れ果てました。
しかも山田さんは、貴重な一冊を私にプレゼントして下さる!とのこと。
後日、山田宏一さんのサイン入り「汚れた顔の天使」が送られてきました。
以来なん十回も読み返し、今ではボロボロの状態に。
ギャング映画のスターとしての評価が絶大であったので、ミュージカルなんてダメだ!と映画会社。それでも自分から売り込んだミュージカル映画の企画「ヤンキー・ドゥードル・ダンディ」でアカデミー主演男優賞を受賞してしまう。
凄いぜキャグニー!
日本では川平慈英さんが一人芝居でキャグニーの伝記に挑戦した事があり、歌にタップダンスに大活躍でした。凄い話題作だったのに再演はしませんでした。
ハリウッド映画スターの自叙伝、次回は「踊るニュウヨーク」のジョージ・マーフィを取り上げます。
写真 下2枚
・悪の色気と知性に満ちたジェームズ・キャグニー
・キャグニーの顔真似をするレオナルド・ディカプリオ
「レヴェナント:蘇えりし者」(2015)に出演し、5度目のノミネートで悲願のアカデミー賞主演男優賞受賞を果たした
天野 俊哉
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